焼き鳥に合うお酒決定版!定番ビールからワインまで徹底解説
今夜は焼き鳥だ!と決めた時、焼き鳥に合うお酒は何が良いか悩みませんか?定番のビールはもちろん最高ですが、最近人気のウイスキー(ハイボール)や、さっぱりとしたチューハイも捨てがたいものです。中には、日本酒は合わないのでは?と思っている方や、お洒落にワインを合わせたいけれど選び方が分からない方もいるかもしれません。
また、お酒飲まない方にとっては、どんなおかずを合わせれば夕食として満足できるかも気になりますよね。美味しい焼き鳥を仕込むために鶏肉を酒につけるといった工夫もありますが、やはり飲み物との相性が重要です。この記事では、焼き鳥を最大限に楽しむための飲み物選びから、おすすめのサイドメニューまで幅広くご紹介します。
- 焼き鳥と相性抜群な定番のお酒(ビール、ハイボールなど)
- ワインや日本酒と焼き鳥を合わせるコツ
- 部位や味付け(塩・タレ)ごとのおすすめペアリング
- お酒飲まない方や箸休めに困った時のヒント
焼き鳥に合うお酒の定番と選び方
- まずは定番のビールで乾杯
- チューハイで脂を流す爽快感
- ウイスキー(ハイボール)との相性
- 焼き鳥とワインのお洒落なペアリング
- 日本酒は合わない?実は好相性
まずは定番のビールで乾杯

焼き鳥と聞いて最初のお酒に「とりあえずビール!」と答える方は非常に多いでしょう。これは単なる習慣ではなく、焼き鳥とビールは味覚的にも最高の組み合わせの一つです。
その理由は、ビールの持つ炭酸のキレとホップの苦味にあります。焼き鳥のジューシーな脂が口に広がったところをビールで流し込むと、炭酸が口内をリセットしてさっぱりさせてくれます。これにより、何本でも新鮮な気持ちで食べ進められるのです。
また、ホップの心地よい苦味は、甘辛いタレの風味を引き締め、塩味の焼き鳥の旨味を一層引き立てます。日本の主要なラガービール(アサヒスーパードライやキリン一番搾りなど)は、キレが良く、塩にもタレにも合う万能選手と言えます。
最近ではクラフトビールも人気ですが、例えばIPA(インディア・ペールエール)のようなホップの苦味が非常に強いタイプは、濃厚なタレやスパイスの効いたつくねと合わせると、苦味と旨味が複雑に絡み合い、新しい発見があるかもしれません。
ビールの役割
ビールの主な役割は「脂を洗い流す」ことと「旨味を引き立てる」ことの2点です。特に脂の多い「皮」や「ぼんじり」、こってりした「タレつくね」には、ビールの爽快感が欠かせません。次の一串を美味しく食べるための準備をしてくれる、最高のパートナーです。
チューハイで脂を流す爽快感

ビールと並んで人気なのが、チューハイ(サワー)です。特にレモンサワーは、焼き鳥のパートナーとして確固たる地位を築いています。
チューハイの魅力もビールと似ていますが、より「酸味」が強調されている点が異なります。レモンやグレープフルーツなどの柑橘系の酸味は、脂っこさを中和する力が非常に強いです。こってりとしたタレや、脂の旨味が強いぼんじり、手羽先などを食べた後にレモンサワーを飲むと、口の中が驚くほどさっぱりします。
もちろん、レモンサワー以外もおすすめです。
- ウーロンハイ・緑茶ハイ: お茶のカテキンが脂をさっぱりさせてくれます。甘くないため、焼き鳥の繊細な味を邪魔しません。
- 梅干しサワー: ほのかな塩味と梅の酸味が、特に「ささみ(梅しそ)」や「なんこつ」などの淡白な塩系の串と良い相性を見せます。
最近では、サントリーの「こだわり酒場のタコハイ」のように、甘さを抑えて食事の味を邪魔しない、スッキリとしたプレーンな味わいのサワーも人気を集めており、焼き鳥の繊細な味を邪魔せず楽しみたい方におすすめです。
ウイスキー(ハイボール)との相性

ここ数年で、居酒屋の定番ドリンクとなったハイボールも、焼き鳥との相性は抜群です。基本的な相性の良さは、ビールやチューハイと同じく「炭酸によるリセット効果」です。
しかし、ハイボールにはウイスキー特有の「樽の香り」があります。この香ばしい風味が、焼き鳥を炭火で焼いた時のスモーキーな香りと見事に同調し、お互いの風味を高め合うのです。特にタレが焦げた部分の香ばしさと、ウイスキーの樽香は非常に近い要素を持っており、口の中で一体感が生まれます。
合わせるウイスキーのタイプによっても、楽しみ方が変わります。
ウイスキーのタイプ別ペアリング

- スモーキーなスコッチ(例:アイラモルトなど):
クセのあるスモーキーな(ピート香の強い)ハイボールは、特に濃厚なタレで仕上げたレバーやつくねとよく合います。お酒の個性がタレの強さに負けず、深いマリアージュを楽しめます。 - 甘く華やかなバーボン(例:ジムビーム、メーカーズマークなど):
バーボンウイスキー特有のバニラのような甘い香りは、甘辛いタレとの相性が抜群です。タレの甘さとウイスキーの甘さが重なり合い、味わいに奥行きが出ます。
焼き鳥とワインのお洒落なペアリング

「焼き鳥にワイン?」と意外に思うかもしれませんが、専門店も増えているほど相性の良い組み合わせです。鶏肉は、魚介類と赤身肉の中間のような存在で、白ワインにも赤ワインにも合わせやすい万能な食材です。
ペアリングの基本は、「味付けと脂」に合わせることです。難しく考えず、「塩には白」「タレには赤」と覚えておけば、大きな失敗はありません。
| 焼き鳥の種類(味付け) | おすすめのワイン | 解説 |
|---|---|---|
| ささみ、なんこつ(塩) | 爽やかな辛口白ワイン (例:ソーヴィニヨン・ブラン) |
淡白な味わいと、ワサビや梅しそを乗せた場合のハーブのような香りが、ワインの酸味やハーブ香とマッチします。 |
| もも、皮(塩) | コクのある辛口白ワイン (例:樽熟成シャルドネ) |
鶏皮やもも肉の脂の旨味を、ワインのふくよかな果実味と樽の香りが受け止めます。脂を酸で洗い流すスパークリングワインも最高です。 |
| ねぎま、つくね(タレ) | 軽めの赤ワイン (例:ピノ・ノワール、ガメイ) |
タレの甘辛さと醤油の風味、赤ワインの持つ果実味と程よい酸味が調和します。渋みが強すぎないものが良いでしょう。 |
| レバー、ハツ(タレ) | 中重口の赤ワイン (例:シラー、サンジョヴェーゼ) |
内臓系の濃厚な旨味や鉄分に、スパイシーさやタンニン(渋み)がしっかり寄り添います。タレの濃厚さに負けないボディが必要です。 |
迷った時は「ロゼワイン」
もし1種類のワインで全てを通したい場合、辛口のロゼワインが最強の万能選手です。白ワインの爽やかさ(酸味)と赤ワインの果実味(コク)を併せ持つため、塩味の淡白な串からタレ味の濃厚な串まで、柔軟に寄り添ってくれます。
日本酒は合わない?実は好相性

「肉料理に日本酒は合わない」というイメージを持つ方もいますが、これは大きな誤解です。特に焼き鳥と日本酒は、旨味の相乗効果が期待できる素晴らしい関係です。
その秘密は「旨味」です!鶏肉の旨味成分(イノシン酸)と、日本酒の旨味成分(コハク酸やアミノ酸など)が出会うことで、口の中の旨味が何倍にも増幅されるのです!
ワインと同様に、味付けや部位によってタイプを選ぶのが成功のコツです。日本酒は温度帯(冷酒、常温、熱燗)を変えることでも相性を調整できます。
- 塩(淡白なささみ、砂肝など):
「浅間山 純米 大辛口」のような、スッキリとした淡麗辛口の冷酒が合います。鶏肉の繊細な味を邪魔せず、キレの良い後味が特徴です。 - タレ(濃厚なつくね、レバーなど):
「七本鎗 純米」のような、米の旨味がしっかりした旨口の純米酒がおすすめです。特に熱燗にすると、タレの甘辛さと日本酒の膨らむような旨味が一体となります。 - 内臓系(レバー、ハツ):
生酛(きもと)や山廃(やまはい)仕込みの日本酒は、伝統的な製法由来の複雑な酸味とコクが、内臓系のクセを見事に包み込みます。熱燗にすると、その力がさらに発揮されます。
焼き鳥専用の日本酒も
京都の玉乃光酒造が販売する「94(きゅうじゅうよん)」は、焼き鳥との相性を追求して開発された純米吟醸酒です。AIを用いた味覚センサーの分析では、特に「タレの焼き鳥と熱燗」の組み合わせで相性度97.8%という数値を記録したとされています。(出典:玉乃光酒造株式会社 公式サイト)
焼き鳥に合うお酒以外の楽しみ方
- 部位や味付けで変わる最適なお酒
- 鶏肉を酒につける下ごしらえのコツ
- 箸休めに最適なおかず
- お酒飲まない人の楽しみ方
- ベストな焼き鳥に合うお酒を見つけよう
部位や味付けで変わる最適なお酒

前述の通り、焼き鳥のペアリングは「味付け(塩かタレか)」と「部位(淡白か脂が多いか)」の2軸で考えると失敗しません。この基本さえ押さえれば、どんなお酒とでも楽しく合わせられます。
こってりしたタレ味や脂の多い部位には、それに負けないしっかりした味わいのお酒(旨口の日本酒や中重口の赤ワイン)を合わせるか、逆に脂を断ち切る炭酸系(ビール、ハイボール、レモンサワー)を合わせるのが王道です。
以下に、部位と味付けごとのおすすめペアリングを表にまとめます。これを見て、次のお店で注文する組み合わせの参考にしてみてください。
| 部位 | 味付け | おすすめのお酒 |
|---|---|---|
| ささみ、砂肝、なんこつ | 塩 | スッキリした白ワイン、淡麗辛口の日本酒(冷酒)、緑茶ハイ |
| もも、ねぎま | 塩 | ビール、ハイボール、コクのある白ワイン(シャルドネ) |
| もも、ねぎま、つくね | タレ | ビール、軽めの赤ワイン(ピノ・ノワール)、旨口の日本酒(常温~燗) |
| 皮、ぼんじり、手羽先 | 塩・タレ | レモンサワー、ハイボール(炭酸で脂をリセット)、ビール |
| レバー、ハツ | タレ | 中重口の赤ワイン(シラー)、日本酒の熱燗(特に山廃系)、スモーキーなハイボール |
鶏肉を酒につける下ごしらえのコツ
お店のような美味しい焼き鳥を自宅で再現するには、焼く前の下ごしらえで鶏肉を酒につけるのが非常に有効なテクニックです。プロの現場でも行われるこの一手間には、科学的な理由があります。
これは、日本酒や料理酒に含まれる糖分やアミノ酸が鶏肉の保水性を高め、加熱しても水分が逃げにくくなり、肉質をふっくらと柔らかくするためです。また、アルコール分が蒸発する際に鶏肉特有の臭みも一緒に揮発させる(マスキングする)効果もあります。
方法は簡単で、一口大にカットした鶏肉に、料理酒(または日本酒)を大さじ1程度振りかけ、皮が取れてしまわないようにやさしく揉み込み、5分から10分ほど置いてから串に刺します。たったこれだけで、仕上がりが格段に変わります。
冷めても美味しい!
この下処理を行うと、焼きたてはもちろん、冷めても固くなりにくいという最大の利点があります。ジューシーさが保たれるため、お弁当のおかずとして焼き鳥を作る際にもぜひ試してほしい一手間です。照りも良く仕上がり、見た目にも美味しくなります。
箸休めに最適なおかず
焼き鳥がメインの食卓では、どうしても茶色い料理が多くなり、野菜が不足しがちです。味覚的にも栄養バランス的にも、さっぱりとした野菜の副菜(おかず)を「箸休め」として用意することが非常に重要です。
こってりしたタレ味の焼き鳥が続くと、舌がその味に慣れてしまいます。そこで、酸味や塩味のあるさっぱりしたものを間に挟むことで、味覚がリセットされ、次の一本も新鮮に美味しく感じることができます。
焼き鳥に合う「箸休め」具体例
- サラダ系: ポテトサラダ(ボリューム感もUP)、シャキシャキの大根サラダ(消化を助ける効果も)、マカロニサラダ
- さっぱり系: 居酒屋定番の塩だれざく切りキャベツ、もやしナムル、冷奴(タレの濃さを中和)
- 漬物・酢の物: きゅうりやナスの浅漬け、キムチ(発酵食品の旨味)、きゅうりとワカメの酢の物(酸味でリフレッシュ)
- 汁物: わかめスープ、たっぷりきのこのすまし汁、落とし卵のみそ汁(満足感が上がります)
これらのおかずが間にあることで、焼き鳥の脂っぽさがリセットされ、最後まで美味しく食べられます。
お酒飲まない人の楽しみ方

「焼き鳥は食べたいけれど、お酒飲まないから居酒屋には行きづらい…」と感じる方もいるかもしれませんが、全く問題ありません。
焼き鳥店や居酒屋は「飲食店」であり、お酒を飲む人だけのための場所ではないからです。実際、お酒を飲まずに食事(焼き鳥とご飯、スープなど)だけを楽しむ方も多くいます。美味しい焼き鳥を食べる権利は、お酒を飲む飲まないに関わらず平等です。
ただし、気持ちよく利用するためには、お店のビジネスモデルも少し意識すると良いでしょう。
お酒飲まない時のマナーと配慮
- ワンドリンクは注文する:
お酒を飲まない場合でも、ウーロン茶、緑茶、コーラなどのソフトドリンクを最低1杯は注文するのがマナーです。「お冷だけで」というのは、お店の売上に貢献しないため、推奨されません。 - 混雑時の長居は避ける:
お店が満席で待ち客が出ているような状況で、食事(とソフトドリンク1杯)だけで長時間席を占有するのは、お店の経営(客席回転率)に影響を与えてしまう可能性があります。空いている時間帯を選ぶか、混雑時は早めに切り上げる配慮があるとスマートです。
ちなみに、ウーロン茶や緑茶に含まれるカテキンは、脂を流す効果が期待できるため、焼き鳥との相性も抜群です。また、辛口のジンジャーエールも、その生姜の風味がタレとよく合います。
ベストな焼き鳥に合うお酒を見つけよう
焼き鳥と一口に言っても、その楽しみ方は無限大です。定番のビールから、意外なワインや日本酒まで、合わせるお酒によって焼き鳥の新しい魅力が引き出されます。この記事で紹介したポイントを参考に、あなたにとっての「ベストな一杯」を見つけてください。
- 焼き鳥に合うお酒選びは味付けと部位が鍵
- 定番のビールは塩にもタレにも万能
- 炭酸のキレが脂をリセットする
- チューハイ(レモンサワー)も脂の多い部位に最適
- ウイスキー(ハイボール)は炭火の香りと同調する
- ワインは塩なら白、タレなら赤が基本
- 淡白な塩ささみには爽やかな白ワイン
- 濃厚なタレレバーには中重口の赤ワイン
- 迷った時はロゼワインが万能
- 日本酒は合わないどころか相性抜群
- 淡麗辛口の日本酒は塩味と
- 旨口の純米酒や熱燗はタレ味と
- 鶏肉を酒につけるとふっくら仕上がる
- 箸休めにはさっぱりしたおかずを
- お酒飲まない人もソフトドリンク注文で楽しめる
