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焼き鳥のシロとは?部位やカロリー、違いを解説

焼き鳥 シロ3
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焼き鳥店で「シロ」というメニューを見て、どこの部位か気になったことはありませんか?独特の食感が人気のシロですが、実は鶏肉ではないかもしれません。この記事では、焼き鳥のシロの正体、つまりどの部位なのかを詳しく解説します。あわせて、気になるカロリーや含まれる栄養素、さらには「かしら」や「白レバー」といった他の部位との違いについても分かりやすくご紹介します。シロの魅力を深く知ることで、次回の焼き鳥がさらに楽しくなるはずです

記事のポイント
  • 焼き鳥の「シロ」の正体(部位)
  • シロの味わいや食感、カロリーと栄養素
  • 「かしら」や「白レバー」など他の部位との明確な違い
  • 「シロコロ」や「てっぽう」との関係性

焼き鳥のシロとは?基本情報を解説

  • 焼き鳥の「しろ」部位は豚の大腸
  • なぜ豚肉なのに「焼き鳥」?
  • シロの味わいと食感の特徴
  • 気になるシロのカロリーは?
  • シロに含まれる主な栄養素

焼き鳥の「しろ」部位は豚の大腸

焼き鳥 シロ1

焼き鳥のメニューにある「シロ」とは、多くの場合、豚の大腸を指します。いわゆるホルモン(内臓肉)の一種です。その名前は、見た目が白いことに由来していると言われています。

お店によっては「白もつ」や、単に「もつ」と呼ばれることもあります。スーパーなどでは「豚(ボイル)白もつ」として販売されていることも多い食材です。ぷりぷりとした独特の食感が特徴で、焼き鳥店では古くから人気の高い定番串メニューの一つです。一部のお店や地域では、大腸だけでなく小腸(ひも)も含めて「シロ」と総称する場合もあるようですが、一般的には大腸を指します。

なぜ豚肉なのに「焼き鳥」?

「焼き鳥」という名前なのに、なぜ豚肉であるシロがメニューにあるのか、不思議に思う方も多いでしょう。これには日本の食文化の歴史的な背景が深く関係しています。

もともと「やきとり」という言葉は、鶏肉だけを指すものではなく、小鳥などを焼いた料理全般を指していました。近代以降、食肉文化が広がる中で、鶏や豚、牛の内臓肉(ホルモン)も安価で栄養価の高い食材として食べられるようになりました。

特に豚の内臓肉を使った串焼きは「やきとん」と呼ばれますが、地域やお店によっては、鶏肉以外の串焼き料理全般を総称して「焼き鳥」と呼ぶ文化が根付いています。例えば、北海道の室蘭市や埼玉県の東松山市などでは、「やきとり」と注文すると豚肉の串焼きが出てくるのが一般的です。

豆知識:焼き鳥の定義

焼き鳥文化の振興に取り組む「全国やきとり連絡協議会」では、焼き鳥に使われる素材の定義を「鳥肉や鳥・牛・豚などの内臓」と定めています。このように、豚の内臓であるシロが「焼き鳥」として提供されることには、文化的な裏付けがあると言えます。

シロの味わいと食感の特徴

焼き鳥 シロ2

シロの最大の魅力は、ぷりぷり、クニュクニュとした独特の食感です。ゴムのような強い弾力がありながらも、下処理が丁寧であれば意外と噛み切りやすい柔らかさも持ち合わせています。

また、シロには適度な脂がついており、噛むごとにその甘みと濃厚な旨みが口の中にじゅわっと広がります。この脂の甘みがシロの美味しさの核となっています。

ホルモン特有の臭みが心配な方もいるかもしれませんが、優良な店では下ゆでや洗浄といった丁寧な下処理が施されているため、臭みはほとんどなく、食べやすいのが一般的です。味付けは、濃厚な脂と絡み合う甘辛い「タレ」が定番ですが、脂の甘みをシンプルに楽しむ「塩」も人気です。表面がカリカリになるまで香ばしく焼いても、また違った食感が楽しめます。

気になるシロのカロリーは?

シロ(豚の大腸)のカロリーは、ゆでた状態の可食部100gあたり171kcalとされています。

これは、同量の牛小腸(ゆで:100gあたり287kcal)と比較すると低い数値です。ただし、これはあくまで目安の数値であり、串1本あたりのグラム数や、タレ・塩などの味付けによって総カロリーは変動します。特にタレ焼きの場合は、タレに含まれる砂糖やみりんの糖質・カロリーが加わることになります。

カロリーと脂質についての注意点

シロは他の部位と比較してカロリーが低い傾向にあるとされますが、脂質も100gあたり13.2g(ゆで)含まれています。健康やダイエットを意識している場合は、その脂質含有量も考慮し、食べる本数に注意することが賢明です。

シロに含まれる主な栄養素

シロ(豚の大腸)は、カロリーや脂質だけでなく、健康維持に役立つとされる栄養素も含まれています。

前述の「日本食品標準成分表」によると、シロ(ゆで)100gあたりには、赤血球の形成を助けるビタミンB12(1.3µg)や、味覚の維持やタンパク質の合成に関わる亜鉛(1.9mg)などが含まれています。また、一般的に内臓肉にはコラーゲンが含まれているとも言われています。

一方で、前述の通り、脂質も含まれるため、これらの栄養素を摂取しつつも、食べ過ぎには注意し、他の食材と合わせて栄養バランスを考えながら適量を楽しむことが推奨されます。

焼き鳥のシロと他の部位を徹底比較

  • 「かしら」との違いは?
  • 「てっぽう」や「ひも」との違い
  • 「白レバー」は鶏の脂肪肝
  • 「シロコロ」は食べ方の違い
  • 「白子」は鶏の精巣
  • 希少部位「がつ」や「あか」
  • まとめ:焼き鳥のシロの魅力

「かしら」との違いは?

焼き鳥9

「かしら」もシロと同様に、豚肉を使った焼き鳥(やきとん)メニューの定番です。しかし、部位は全く異なります。

かしらは、豚の頬肉(ほほにく)やこめかみの肉を指します。これらは食事の際によく動かす部位であるため、筋肉が発達しており、赤身が多く、脂身が少ないのが特徴です。食感はもちもち、あるいはシコシコとした強い歯ごたえがあり、噛めば噛むほどに赤身肉の深い旨みが楽しめます。

ぷりぷりとした脂の甘みを楽しむシロとは、味わいの種類も食感も対照的な部位と言えるでしょう。

「てっぽう」や「ひも」との違い

シロ(大腸)と同じ豚の腸であっても、部位によって呼び名や特徴が細かく分かれています。

「てっぽう」は豚の直腸のことです。腸の最後の部分にあたり、一頭からわずかしか取れない貴重な部位です。名前の由来は、切り開いた形が鉄砲に似ていることから名付けられたとされています。シロよりも肉厚で弾力が非常に強く、シコシコとした噛みごたえのある食感が特徴です。

「ひも」は豚の小腸を指し、「ホソ」とも呼ばれます。シロ(大腸)よりも細長い形状で、脂は比較的少なめです。食感はやや硬く、歯ごたえがあります。焼き鳥よりも、もつ煮込みや炒め物で使われることも多い部位です。

豚の腸の比較表

名称 部位 主な特徴
シロ 大腸 ぷりぷり食感。脂の甘みが特徴。比較的柔らかい。
てっぽう 直腸 希少部位。肉厚で非常に強い弾力と噛みごたえ。
ひも (ホソ) 小腸 細長い形状。やや硬く、歯ごたえがある。脂は少なめ。

「白レバー」は鶏の脂肪肝

焼き鳥 レバー1

名前が似ているため混同されがちな「白レバー」ですが、これはシロとは全くの別物です。

白レバーは、鶏の脂肪肝(フォアグラ状態になった肝臓)を指します。通常の鶏レバー(「あか」と呼ばれることもあります)よりも白っぽく、淡い色をしているのが特徴です。栄養を蓄えすぎて脂肪をまとった状態で、通常のレバーに比べてクセや臭みが少なく、舌触りが非常になめらかです。トロッとしたクリーミーな味わいは多くの食通を魅了します。

豚の大腸であるシロとは、原料(鶏か豚か)も部位も食感も全く異なります。

「シロコロ」は食べ方の違い

「シロコロ」は、神奈川県厚木市のご当地グルメ「シロコロホルモン」の略称として全国的に有名です。

使用している部位はシロと同じ豚の大腸です。最大の違いは、調理法と形状にあります。一般的なシロ(白もつ)が腸を切り開いて平らにし、串に刺すのに対し、シロコロは腸を開かずに管状のままぶつ切りにします。

これを網焼きにすると、熱で収縮してコロコロとした丸い形になることから「シロコロ」と呼ばれるようになりました。外側の皮はカリッと香ばしく、内側の脂はぷりぷりでジューシーな食感が楽しめます。

「白子」は鶏の精巣

焼き鳥店でまれに見かける「白子」も、シロとは異なります。一般的に白子といえばフグやタラなど魚類のものが有名ですが、焼き鳥の「白子」は鶏の精巣(睾丸)を指します。

一羽から二つしか取れない非常に希少な部位であり、提供している店は限られます。食感は、表面は軽く焼かれて香ばしく、中はトロッとクリーミーで濃厚な味わいが特徴です。魚類のものよりもクセがなく食べやすいと評されることもあります。豚の大腸であるシロとは、原料も部位も全く異なる高級珍味です。

希少部位「がつ」や「あか」

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焼き鳥店(やきとん店)には、他にもシロとは異なる食感や味わいを持つ、豚の希少なホルモン部位があります。

  • がつ:豚の胃袋のこと。「ガツ芯」と呼ばれる特に肉厚な部分が使われることもあります。コリコリ、シャキシャキとした独特の歯切れの良い食感と、淡白な味わいが特徴です。臭みが少ないため、塩焼きや酢味噌などで楽しまれることが多いです。
  • あか:肝臓(レバー)のこと。その名の通り見た目が赤いことに由来します。鶏のレバーと同様ですが、豚のレバーは牛レバーに比べてクセが少なく、しっとりとした食感が特徴とされることが多いです。

これらも、ぷりぷりとしたシロとは違った魅力を持つ部位であり、食べ比べてみるのも一興です。

まとめ:焼き鳥のシロの魅力

この記事では、焼き鳥の人気メニュー「シロ」について、その正体から他の部位との違いまで詳しく解説しました。最後に、本記事の要点をリストでまとめます。

  • 焼き鳥のシロは主に豚の大腸を指す
  • 「白もつ」とも呼ばれるホルモン(内臓肉)の一種
  • 名前は見た目が白いことに由来する
  • 豚肉だが「やきとり」として提供される文化がある(全国やきとり連絡協議会も定義)
  • ぷりぷりとした食感と噛むほどに広がる脂の甘みが特徴
  • 丁寧な下処理によりホルモン特有の臭みは少ない
  • カロリーは100gあたり約171kcal(ゆで)という情報がある(日本食品標準成分表より)
  • 脂質も含まれるため食べすぎには注意が必要
  • ビタミンB12や亜鉛などが含まれるとされる
  • 「かしら」は豚のこめかみや頬肉で、赤身の旨みともちもち食感が特徴
  • 「てっぽう」は豚の直腸で、シロより肉厚で強い弾力がある希少部位
  • 「ひも」は豚の小腸で、シロより細長くやや硬めの食感
  • 「白レバー」は鶏の脂肪肝で、トロリとしたクリーミーな味わい
  • 「シロコロ」はシロと同じ豚大腸だが、管状のままぶつ切りにして焼く料理
  • 「白子」は鶏の精巣で、濃厚かつクリーミーな希少珍味
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ブロガー
日々の生活の中に「和の心」を取り入れるライフスタイルを発信中。 ハーモニーニッポンでは、日本の四季・食・文化の魅力を世界に伝える記事を執筆しています。 好きな食べ物は焼き鳥。
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