浴衣の裾上げの悩み解決！着付けとお直しの全知識

「浴衣 裾上げ」で検索された皆さん、こんにちは！

プレタ（既製品）の浴衣を買ってみたら、思ったより丈が長くて「これ、どうやって着るの…？」と困っていませんか？洋服の感覚だと、すぐに「裾上げしなきゃ！」と思いますよね。

実は、浴衣の「長い」は、着付けで調整するのが基本なんです。プレタ浴衣は、例えば「適応身長155cm～168cm」のように、かなり幅のあるフリーサイズで売られていることがほとんど。これは、適応範囲で一番身長が高い人に合わせて作られていることが多い、ということなんですね。だから、多くの人にとっては「長くて当然」なんです。

もちろん、本当に長すぎる場合や、自分でお直ししたい、あるいはミシンは使えるの？といった具体的な疑問もあるかなと思います。

この記事では、そうした「浴衣 裾上げ」に関する様々な疑問、例えば「おはしょり」での調整法、自分で手縫いする方法、男性の浴衣の調整法、さらには対丈での着こなし方や肩上げとの違いまで、Webと和装の両方が好きな私（マークアップエンジニア）の視点から、構造的に（？）分かりやすくカバーしていきますね。

浴衣の裾上げは「着付け」が基本

プレタ浴衣が「長い」のは、先ほどもお話しした通り、ある意味で「当たり前」なんです。これは、幅広い身長の人に対応できるように、適応範囲で一番身長が高い人に合わせて作られていることが多いからですね。

ですから、まずは裁縫道具を出す前に、和装の基本である「着付け」で美しく調整する方法を見ていきましょう！この方法をマスターするだけで、ほとんどの「長い」問題は解決するはずです。

浴衣裾上げの鍵「おはしょり」とは

浴衣の着付けでよく聞く「おはしょり」。これこそが、浴衣に組み込まれた「裾上げ」機能なんです。

着付けの際、裾の長さを決めて腰紐を結んだ後、腰の位置で余った生地を折り返して作りますよね。あの部分が「おはしょり」です。和装は洋服と違って、布を直線的に裁断して作られています。体を立体的に包み込むために、この「おはしょり」で丈を調整する仕組みは、着物文化の素晴らしい知恵だと思います。

この機能があるからこそ、フリーサイズの浴衣でも、自分の身長に合わせた着丈（きたけ）で着こなすことができる、というわけです。この仕組みを理解するのが、まず第一歩ですね。

おはしょりの理想の長さ

ちなみに、美しく見えるおはしょりの長さは、帯の下から「人差し指の長さ（約7〜8cm）」くらいが目安と言われています。長すぎても短すぎても、ちょっとアンバランスに見えてしまうので、この長さに調整するのが目標になります。

長い浴衣の着付けと腰紐テクニック

じゃあ、具体的に「長い浴衣」をどうやって着付けで調整（裾上げ）するのか。最大のポイントは、「腰紐（または腰ベルト）を結ぶ位置」です。

浴衣を羽織って、裾の長さを決めますよね。女性の場合、理想の長さは「くるぶしが隠れる」程度です。床ギリギリは長すぎて裾を踏んでしまいますし、歩きにくい。逆に、ふくらはぎが見えるほど短いと、優雅さが出にくくなってしまいます。

この長さを決めたら、腰紐を結びます。ここが重要です。

腰紐での調整は、浴衣の着付け全体の流れの中でも一番のキモになる部分かもしれません。

おはしょりが長すぎる時の処理方法

さて、前のステップ（腰紐を高い位置で結ぶ）を実行すると、裾の長さは解決しますが、十中八九、次の問題が発生します。

それが、「おはしょりが長すぎて、だらしなく見える」問題です。

腰紐の位置を上げた分、腰の上で余る生地（おはしょりになる部分）が長くなるのは当然ですよね。おはしょりが帯の下から10cmも15cmも出てしまうと、さすがに不格好です。

でも、心配無用です！この「長すぎるおはしょり」を美しく処理する技術もしっかり存在します。

おはしょりが長い時の処理手順

腰紐を結んだ後、おはしょりの生地がダランと長い状態ですよね。この処理は、帯を締める前に行います。

処理しないとどうなる？

この処理を怠ると、長いおはしょりが帯の中でモコモコと「ごわつき」の原因になります。見た目が悪いだけでなく、帯が締めにくかったり、着崩れの原因になったりもするので、必ず処理するようにしたいですね。

おはしょりの処理がキレイにできたら、いよいよ浴衣の帯結び（文庫結びなど）のステップに進みます。

外出先で役立つ裾の応急処置

しっかり着付けたつもりでも、夏祭りなどで歩き回っていると、だんだん裾が落ちてきて長くなってしまう…という悲劇、経験ある方もいるかもしれません。

この最大の原因は、「腰紐のゆるみ」です。歩行や体の動き、座ったり立ったりといった動作で、着丈を決めている一番大事な腰紐が、少しずつ緩んでしまうんですね。

帯を締めた後で、その下の腰紐を締め直すのは至難の業です。そんな時は、慌てずに応急処置で乗り切りましょう。

トイレでこっそりリカバー術

裾が長くなってきたな、と感じたら、人目につかない場所（お手洗いの個室などがベスト）で行ってくださいね。

1. 帯や帯結びは触りません。無理に直そうとすると、余計に崩れる可能性があります。
2. 帯の下（おはしょりの下）に、両手の指を入れます。
3. 長くなってしまった裾の部分（腰紐より下の生地）を掴み、帯の中にある腰紐の上に「差し込む」ように、ぐいっと押し込みます。
4. 上前（左側）と下前（右側）、両方とも均等に押し込むと、一時的に裾の長さが短くなります。

これはあくまで一時的な処置ですが、裾を引きずって汚したり、転倒したりするリスクを回避できます。帰宅したら、なぜ緩んだのか、着付けの方法を見直してみると良いですね。

根本的な対策は「所作」

そもそも裾が落ちる（着崩れる）原因は、洋服の時と同じ「所作（しょさ）」にあることが多いです。特に「大股で歩く」のは着崩れの最大の敵です。

浴衣を着ている時だけでも、「小股でスッと前に出す」ように歩き、階段などでは裾をそっと持ち上げるように意識するだけで、着崩れは格段に減らせます。

着付けの技術だけでなく、和装での美しい歩き方も意識すると、裾上げの悩みも減るかもしれませんね。

浴衣の裾上げの「お直し」と特殊な着方

「着付けの調整だけじゃ、どうにもならないほど長い！」「身長150cmなのに、170cm向けの浴衣しか気に入った柄がなかった！」「おはしょりが分厚くなりすぎて、腰回りがごわつくのがどうしても嫌！」という場合や、ちょっと違った着方を楽しみたい時のための「裾上げ」について解説しますね。

ここからは、裁縫道具を使う「お直し」や、特殊な着付けテクニックのお話です。

浴衣裾上げを自分でする手縫いの手順

洋服と同じように、浴衣も物理的に短く「お直し」することが可能です。自分で挑戦する場合は、表から縫い目が見えない「まつり縫い」が基本になります。

必要な道具

まずは道具の準備から。和裁とまではいかなくても、基本的な裁縫道具があれば大丈夫です。

• 裁縫道具（針、糸 ※浴衣の色に合わせたもの）
• チャコペン（印付け用）
• アイロン、アイロン台
• ものさし、メジャー
• 裁ちばさみ（裁断する場合）

手順1. 丈の決定と印付け

一番大事な工程です。必ず一度、浴衣を実際に着てみて、希望の長さ（仕上がり線）を決めます。鏡を見ながら、誰かに手伝ってもらうのがベストです。決めた位置で裾を折り上げ、マチ針などで固定し、脱いでからチャコペンなどで印をつけます。

手順2. 裁断と縫い代の処理

浴衣の裾は通常「三つ折り」になっています。仕上がり線から三つ折り分（5〜6cm程度）の縫い代を残し、余分な生地を裁断します。

裁断したら、仕上がり線で折り、アイロンでしっかり折り目をつけます。その後、裁断した端を内側に折り込み、再度アイロンをかけて「三つ折り」の状態を作ります。

手順3. まつり縫いのコツ

三つ折りの状態ができたら、いよいよ縫っていきます。和裁では「流しまつり縫い」などが使われますが、要は「表地に縫い目が響かない（見えない）」ように縫うことが重要です。

表地の生地を針先で1mm程度すくい、折り山に針を通す…をチクチクと繰り返します。縫い終わりの玉止めも、折り山の中に隠すようにすると仕上がりがキレイですよ。

浴衣裾上げにミシンは使える？

「手縫いは面倒だから、ミシンで一気に縫いたい」と思うかもしれません。技術的には、ミシンで裾上げすること自体は可能です。

ただ、私（マークアップエンジニア＝構造にこだわる！）としては、あまりおすすめしません。

なぜかというと、ミシンで縫うとその部分だけが硬くなり、和装特有のしなやかな裾の動き（裾さばき）が失われがちだからです。また、生地が突っ張ったような仕上がりになることもあります。特に、綿絽（めんろ）や絞りなどのデリケートな生地は、ミシンの圧力で風合いが変わってしまう可能性もあります。

和装の美しさを保つためには、時間がかかっても手縫い（まつり縫い）の方が、仕上がりの風合いは断然良いかなと思います。

専門店のお直し料金と依頼の注意点

「自分では無理！」「高価な浴衣だから失敗したくない！」という場合は、プロに頼むのが一番安心です。「マジックミシン」や「リフォームスタジオ」といった洋服のお直し専門店でも、浴衣の裾上げ（着丈調整）を受け付けてくれる場合があります。

専門店への依頼は「都度見積もり」

一番の注意点は、料金です。洋服のズボンの裾上げと違い、浴衣は「標準料金〇〇円」と決まっていないことが多いです。

料金目安と依頼先の比較（例）

あくまで一般的な目安ですが、料金のイメージです。浴衣のお直しは「要見積もり」となることがほとんどです。

※上記はあくまで一例です。実際の料金は必ず店舗にご確認ください。

依頼先としては、こうした洋服お直し専門店のほか、呉服店、和裁所、またはクリーニング店が窓口になっている場合もあります。

男性の浴衣裾上げと腰紐の調整法

男性の浴衣が長い場合の調整法は、女性（おはしょり）とは全く違います。男性の着付けには「おはしょり」はありません。

男性の理想の着丈は、「くるぶしが見える」程度の、やや短めが「粋（いき）」とされます。女性のようにくるぶしが隠れると、かなり野暮ったい印象になってしまいます。

男性用の着付け調整法

もしプレタ浴衣が理想よりも長い場合は、以下の方法で調整します。

1. 浴衣を羽織り、理想のくるぶし丈になるよう裾を持ち上げます。
2. その位置で腰紐を結びます。（男性は腰骨のあたりで結ぶのが一般的です）
3. この時点で、腰紐の「上」に、余った生地がダブついている状態です。
4. この余った生地を、腰紐が隠れるように「下」に折り返します。
5. その「折り返した部分」ごと、上から角帯を巻いて隠してしまえば完成です。

対丈で着る場合の裾の固定方法

「対丈（ついたけ）」という着方もあります。これは、その名の通り、おはしょりを作らず、身丈（みたけ）＝着丈（きたけ）で着る方法です。

アンティークの浴衣（昔の人は小柄だったので、現代の人が着ると身丈が短い）を着る時や、おはしょりのぽっこりがなくスッキリ細く見せたい時に使われる着方ですね。

ただ、おはしょりがない分、着丈の固定が甘く、非常に着崩れしやすいというデメリットがあります。裾がはだけやすくなったり、歩いているうちに裾が落ちてきたり…。

この着崩れを防ぎつつ裾の長さを固定する（＝裾上げする）には、伊達締め（だてじめ）や小物の使い方が鍵になります。

「肩上げ」と「裾上げ」の違い

お直し専門店のメニューなどで、「肩上げ」という言葉を見かけることがあるかもしれません。「裾上げ」と混同しやすいですが、これは全く別のものです。

なぜ子供用だけ「肩上げ」があるの？

「肩上げ」が施されているのは、基本的に子供用の浴衣や着物のみです。

これは、子供の成長に合わせて、縫い込んである糸を解くことで、裄（腕の長さ）や丈を長く調整できるようにするための、昔ながらの知恵ですね。「成長してすぐに着られなくならないように」という、親心が詰まった仕様なんです。

大人の浴衣で「肩上げ」をすることは、まずありません。もし大人の裄が合わない場合は、「裄（ゆき）詰め」や「裄出し」といった、専門的なお直しになります。

状況別、最適な浴衣裾上げの解

ここまで、「浴衣 裾上げ」に関する様々な方法を見てきました。いやあ、奥が深いですね。

「浴衣 裾上げ」と一口に言っても、それが「着付け」のことなのか、「お直し（裁縫）」のことなのかで、解決策が全く変わってくるのが面白いところですよね。

最後に、あなたの状況に合わせた最適な「浴衣 裾上げ」の答えをまとめておきます。

この記事が、あなたの「浴衣 裾上げ」に関する悩みを解決するヒントになれば、私もうれしいです！正しい知識で、浴衣のおしゃれを楽しんでくださいね。

ハーモニーニッポン

ブロガー

日々の生活の中に「和の心」を取り入れるライフスタイルを発信中。 ハーモニーニッポンでは、日本の四季・食・文化の魅力を世界に伝える記事を執筆しています。 好きな食べ物は焼き鳥。