浴衣ネイル完全ガイド:色合わせからセルフまで
夏の楽しみといえば、やっぱり浴衣ですよね。花火大会やお祭りで浴衣を着ると、気分がぐっと上がります。でも、そんな特別な日のコーディネートで意外と悩むのが「指先」、そう、浴衣に合わせるネイルです。
浴衣の色とネイルの色合わせはどうしたらいいんだろう? 紺や赤、白といった定番の浴衣に合うデザインは? 2025年のトレンドも知りたいな。それに、学校や仕事で普段はネイルができないから、セルフで簡単に楽しむ方法や、1日だけ使えるネイルチップの取れない付け方が知りたい…。フットネイルもどうしよう?
そんな、浴衣のネイルに関するさまざまなお悩みや疑問って、結構たくさんあると思うんです。私自身、和装が好きで浴衣や着物に合わせて指先のおしゃれを楽しんでいますが、最初は色合わせに悩んだ経験もあります。浴衣という非日常の装いだからこそ、指先まで完璧にコーディネートしたいですもんね。
この記事では、そんな浴衣ネイルの「どうしよう?」を全部解決できるように、浴衣のコーディネートを格上げするネイルの選び方から、100均アイテムを使った簡単なセルフネイル術、そして大切な日に失敗しないネイルチップの装着テクニックまで、私の経験も踏まえながら詳しくご紹介していきますね。
- 浴衣とネイルの色合わせの基本ルール
- セルフで挑戦できる簡単なトレンドデザイン
- 100均アイテムの活用法
- お祭りで「取れない」ネイルチップの付け方
失敗しない浴衣ネイルの選び方
浴衣ネイルを選ぶとき、一番大切なのは「全体のバランス」かなと思います。主役はあくまで浴衣。指先が目立ちすぎるのではなく、浴衣姿全体にすっと馴染んで、涼しげな「抜け感」をプラスしてくれるのが理想ですね。高温多湿な日本の夏において、浴衣姿に求められる「涼」の感覚は、視覚的な要素がとても大きいんです。指先でその「涼」をどう演出するかが、洗練された浴衣姿の鍵になります。ここでは、色合わせの基本から最新トレンドまで、失敗しない選び方のポイントを見ていきましょう。
浴衣ネイルの色合わせ基本ルール

どう色を選べばいいか迷ったら、まずは基本のルールを押さえておくと安心です。これは、ネイルの熟練度や目指すスタイルによって使い分けるのがおすすめ。大きく分けて2つの方法がありますよ。
ルール1:浴衣の「ベース色」に合わせる
これは初心者さんにも一番簡単で、間違いなく上品にまとまる王道テクニックです。浴衣の地色、つまり面積が一番大きい「ベースとなる色」(紺、白、赤など)とネイルの色をリンクさせると、全体に統一感が出て、とても洗練された印象になります。
例えば、紺色の浴衣に、ネイビーのネイルを合わせるイメージですね。ただし、濃い色の浴衣にネイルまで不透明な濃色を合わせると、少し重たい印象になってしまう可能性もあるので、後述する「抜け感」を意識するとさらに良くなりますよ。
ルール2:浴衣の「柄の色」や「小物」の色を拾う
こちらは少し上級者向けですが、ぐっとおしゃれに見えるテクニックです。浴衣に描かれているお花や柄の「差し色」(例えば、紺地の浴衣に描かれたピンクの桜など)や、帯、下駄の鼻緒の色とネイルカラーを合わせるんです。
このテクニックは、特に紺や黒といった濃い色の浴衣のときに真価を発揮します。ルール1(ベース色合わせ)に忠実にネイルまで濃い色にすると、全体が重くなってしまう…。そんな時に、あえて柄の明るい色や帯の色を指先に持ってくると、計算された「抜け感」が生まれ、一気に上級者の着こなしになります。
紺や赤など浴衣の色別ネイル
浴衣の定番カラー別に、相性の良いデザインを見ていきましょう。特に濃い色の浴衣は、ネイルの選び方で印象が大きく変わります。ここでは、代表的な色ごとのコーディネート例を、早見表も交えて詳しく解説しますね。
| 浴衣の色系 | 相性の良い色・印象 | 推奨デザイン案 | 上級者向けアドバイス |
|---|---|---|---|
| 赤系 | 白、紺、ゴールド。凛とした印象、情熱的。 | ・白ベースに赤の和柄(金魚、花火) ・透け感のある赤(シアーレッド)のグラデーション ・赤のフレンチネイル |
ネイルまで真っ赤な単色塗りは、印象が強すぎる場合も。ゴールドのラメやフレンチデザインで「抜け感」をプラスするのがおすすめです。 |
| 青・紺系 | 白、桃色(ピンク)、同系色、シルバー。爽やかな女性らしさ。 | ・ネイビーと白のマーブルやニュアンスネイル ・クリアベースに金魚柄 ・シルバーラメやオーロラカラー |
要注意: 濃いネイビーの単色塗りは、手元全体が重くなりがちです。必ずクリアや淡い色合いのネイルを合わせ、軽やかさを出すのが鉄則です。 |
| 紫系 | 淡いグリーン、同系色、シルバー。しっとりした大人の雰囲気。 | ・淡いパープルのグラデーション ・アジサイ(紫陽花)のような「たらしこみ」アート ・曖昧なパープルのウェーブデザイン |
色味が強すぎると古風になりがちなため、透明感のある仕上がりを意識します。シルバーのホログラムやミラーアートで現代的なアクセントを加えると洗練されます。 |
| 黒・グレー系 | モノトーン、差し色(赤、金など)。モダン、シック。 | ・黒のシースルー(透け感)ネイル ・グレーと白のモノトーンニュアンスデザイン ・涼やかなブルーグレーとミラーのデザイン |
重くならないよう、必ず「透明感」か「光沢(ミラー、ラメ)」のどちらかの要素を取り入れます。黒の浴衣の場合、差し色(例:赤い帯)にネイルを合わせるのも有効です。 |
| 緑系 | 白、紺、桃色。柔らかな上品さ。 | ・トレンドのピスタチオグリーン(ワンカラー) ・白ベースに緑のボタニカル柄(朝顔など) ・すっきりとしたホワイトベースにお花のデザイン |
同系色の濃い抹茶色ではなく、透明感のある淡いグリーンや、くすみがかったシアー系のカラージェルを選ぶと、涼しげで現代的な印象になります。 |
| 黄色系 | 青、紺、オレンジ。爽やか、ポップ。 | ・シトラスイエローが爽やかなデザイン(大きめホロで抜け感を) ・落ち着いたオレンジイエローのマグネットネイル |
ビタミンカラーは手元を明るくしますが、浴衣の柄と喧嘩しないよう、シアーな質感やグラデーションで取り入れるのがおすすめです。 |
赤系の浴衣
情熱的で凛とした印象の赤系浴衣。主役級の華やかさがあるので、ネイルは引き算も大切です。白や紺、ゴールドといった色が好相性。例えば、白ベースに赤で金魚や花火の柄を描いたり、透け感のあるシアーレッドのグラデーションも綺麗ですね。フレンチネイルで先端にだけ赤を入れるのも上品で、浴衣の強さを程よく中和してくれます。
要注意!
浴衣もネイルも「真っ赤」なベタ塗り(単色塗り)だと、少し印象が強すぎたり、重たく見えてしまったりすることがあるかも。ゴールドのラメを散らしたり、クリアベースの部分を作ったりして、「抜け感」を意識するのがおすすめです。
青・紺系の浴衣
夏らしく爽やかで、一番人気のカラーかもしれませんね。涼しげで、清楚な女性らしさが魅力です。ネイルカラーは、白や淡いピンク、シルバーやオーロラカラーといった、明るさや輝きをプラスできる色がよく合います。デザインとしては、ネイビーと白を使ったマーブル模様や、水面のようなニュアンスネイルが涼しげ。クリアベースに赤い金魚柄を描くのも、紺色の背景によく映えて素敵です。
最重要アドバイス
青・紺系の浴衣で一番避けたいのが、手元まで重くなってしまうこと。不透明な濃いネイビーの単色塗りは、手元全体が暗く、重たい印象になりがちです。必ずクリアな部分を作ったり、淡い色(白やピンク)を組み合わせたりして、「軽やかさ」を出すのが鉄則ですよ。
紫系の浴衣
しっとりとした大人の雰囲気や、ミステリアスな色気を演出できる紫系。ネイルには、淡いグリーン(補色関係でお互いを引き立てます)や、同系色の淡いパープル、シルバーなどが相性が良いです。デザインは、アジサイ(紫陽花)のような「たらしこみ」アートや、淡いパープルのグラデーションが雰囲気たっぷり。色味が強すぎると少し古風な印象になってしまうこともあるので、透明感のあるシアーな仕上がりを意識するのがポイントです。
黒・グレー系の浴衣
モダンでシック、格好良い印象を与えるモノトーンの浴衣。ネイルも色味を抑えて、透け感のある「シースルーブラック」や、グレーと白のモノトーンニュアンスデザインでまとめると、モードな雰囲気に。ただし、黒やグレーも重くなりやすい色なので、必ず「透明感(シアー)」か「光沢(ミラー、ラメ、ホログラム)」のどちらかの要素を取り入れるのが成功の鍵ですね。もちろん、あえてルール2(柄・小物合わせ)を使って、赤い帯に合わせてネイルも真っ赤にする、というのもドラマチックで素敵です。
白やベージュの浴衣に合うネイル

白やベージュ(生成り)系の浴衣は、清楚で柔らかい印象ですよね。レフ板効果で顔色を明るく見せてくれる嬉しい効果も。このタイプの浴衣は、ネイルに関してはある意味「万能」です。
基本的にはどんな色のネイルも受け入れてくれる懐の深さがあります。だからこそ、帯や下駄の鼻緒など「小物の色」とネイルカラーをリンクさせるテクニックが一番活きる浴衣とも言えます。例えば、赤い帯ならネイルも赤系の差し色を入れる。水色の帯ならネイルも淡いブルー系にする。こうすることで、全体のコーディネートがきゅっと引き締まり、統一感が出ます。
もちろん、浴衣の雰囲気に合わせて、肌馴染みの良いシアーなベージュにさりげない和柄(小さな金箔やシェルなど)を入れたり、アイスブルーやオーロラカラーでとことん涼しげにまとめるのも素敵。最近トレンドの「淡色浴衣コーデ」にもぴったりですね。
2025年トレンドの浴衣ネイル
浴衣ネイルも毎年トレンドがあって、見ているだけでも楽しいですよね。2025年は、単なる和柄の模倣ではなく、伝統的なモチーフに「光」と「透明感」をプラスした、涼しげなデザインが主流になりそうです。これは、日本の高温多湿な夏を、視覚的な「涼」で乗り切ろうとする文化的な感覚ともリンクしている気がします。
2025年トレンドカラー
定番のピンク系に加えて、淡いブルー、パープルといった寒色系、そしてなんといっても注目の「ピスタチオグリーン」のような、くすみ感のある爽やかなカラーが人気を集めそうです。
シャイニー系(光)
指先の動きに合わせてキラッと光を放つデザインが、浴衣姿を一層ドラマティックに見せてくれます。
- マグネットネイル: 角度によって輝きが変化するマグネット。アシンメトリー(左右非対称)で片手だけに取り入れたり、グラデーションと組み合わせるのが今年流です。
- フラッシュジェル: スマホのフラッシュなどで強く反射するラメ。夜のお祭りや花火大会で真価を発揮します。
- ガラスフレンチ: まるで本物のガラスのような、硬質なツヤと輝き。透明感が高く、甘く可愛らしい浴衣コーデとも相性抜群です。
シアー仕上げ(透明感)
ヨーヨーや金魚といった夏祭りの定番モチーフは、2025年流の「質感」でアップデート。重要なのは、不透明な原色で描くのではなく、「シアーカラー(透け感のある色)」で「ちゅるん」とした瑞々しい質感に仕上げる点です。不透明な色使いは子供っぽく見えがちですが、シアーカラーなら大人の「抜け感」と「涼」を両立できます。
- ヨーヨー柄: パキッとした原色も可愛いですが、今年はシアーカラーで。フットネイルにも人気です。
- 金魚柄: クリアベースに繊細な手描きアートで施すことで、まるで水槽を泳いでいるような清涼感を表現できます。
立体・ニュアンス系
平面的なアートだけでなく、質感や立体感で遊ぶデザインも注目されています。
- 水滴ネイル: 2025年の注目トレンドの一つ。爪の表面にクリアジェルで水滴が乗っているような立体的なデザイン。マット仕上げのネイルに水滴をプラスして質感の対比を楽しんだり、ミラーパウダーと融合させて「こなれ感」を演出したり、組み合わせも多彩です。
- ぷっくりアート: アイシングジェルなどで、ヨーヨーやお花を立体的に表現する技法。ベースをクリアやラメ系にすると、よりおしゃれな仕上がりになります。
万能なのはクリアや白のデザイン

「色合わせに自信がない…」「何色もの浴衣を着回す予定がある」という時に、本当に頼りになる「万能デザイン」もありますよ。これなら、どんな浴衣とコーディネートしても失敗しません。
ホワイトフラワーネイル
ミルキーホワイトのベースに、ミラーパウダーやシルバーのラインでお花を描いたデザインなど。くすみのない「白」は、どんな色の浴衣も邪魔せず、上品な華やかさと清潔感をプラスしてくれます。迷ったらまず「白ベース」を考えるのは、とても良い選択だと思います。
柔らかいライトグレーネイル
意外かもしれませんが、グレーは浴衣ととても相性が良いんです。特に、白に近いような柔らかみのあるライトグレーは、強すぎず、程よい「抜け感」を演出してくれます。大人のしっとりとしたコーディネートを完成させてくれる、隠れた万能カラーですね。
クリアベースのラメ・オーロラ
これが最強の万能デザインかもしれません。色味を持たず、「輝きだけ」を指先にオンするデザインです。ベースがクリア(透明)なので、どんな浴衣とも喧嘩しようがありません。光の反射によって指先に「涼」の美学を体現できますし、清潔感も抜群です。
浴衣ネイルを自分で楽しむ方法
「サロンに行く時間はないけど、浴衣の日だけはネイルを楽しみたい!」という方も多いと思います。大丈夫です、セルフネイルでも素敵な浴衣ネイルは作れますよ。最近は100円ショップのアイテムも本当に優秀で、驚くようなクオリティのデザインが自分でできちゃいます。不器用さんでもできる簡単な方法から、最近トレンドのアートまで、ご紹介しますね。
100均で簡単セルフネイル
最近の100円ショップのネイルアイテム、本当に優秀ですよね。私もよくチェックしています。マニキュア(ポリッシュ)からシール、パーツまで、何でも揃います。
【難易度★】貼るだけ:ネイルシール活用法
一番簡単で、誰でもすぐにできるのが、なんといっても「ネイルシール」です。セリア(Seria)やキャンドゥなどには、夏祭りにぴったりの花火、金魚、ヨーヨー、朝顔といった和柄のジェルネイルシールが充実しています。
簡単なコツとしては、ベースに浴衣と同系色のマニキュアを一度塗りして、その上からアクセントとして1〜2本の指にシールを貼ること。これだけでも一気に浴衣仕様のネイルが完成します。全部の指に貼るより、抜け感が出ておしゃれですよ。
【難易度★★】塗るだけ:配色ネイル
「アートは苦手だけど塗るだけなら」という方には、ダイソー(DAISO)の「GENEネイル(ジェネネイル)」やセリアの「AC ネイルエナメル」などを使った「配色ネイル」がおすすめです。これは、アートではなく「色の組み合わせ」で魅せるテクニック。
例えば、浴衣のベース色(紺)と帯の色(黄色)を2色選び、指ごとに交互に塗る(紺、黄、紺、黄…)だけでも、統一感があっておしゃれに見えます。5本指全部を違う色にする「多色ネイル」も、浴衣の柄に使われている色を拾ってくれば、まとまりが出ますよ。これはフットネイルにもおすすめです。
セルフで簡単な水彩風アート

サロンのトレンドとしてご紹介した「たらしこみアート」(水彩画のような、ふんわりとしたニュアンスを出す技法)、実はセルフでも簡単に再現できるんです。
しかも、ジェルネイル用のUV/LEDライトがなくても、マニキュア(ポリッシュ)と「アクリル絵の具と水」(どちらも100均で揃います!)があれば大丈夫。アクリル絵の具も100均の手芸コーナーや文具コーナーで入手可能です。これは「100均アイテム」と「サロントレンド」を繋ぐ、非常に有効なテクニックですよ。
【難易度★★★】マニキュアでできる「たらしこみ」のやり方
- ベースコート、ベースカラーとなるマニキュアを塗り、しっかりと乾かします。(例:白や淡いピンクなど)
- パレット(アルミホイルや牛乳パックの裏などで代用可)に、アクリル絵の具(例:赤や青)を少量出します。
- 細い筆(アート用や、使い古したアイライナーの筆など)に水を含ませ、絵の具を水彩画のように「シャバシャバになるまで」薄めます。
- 薄めた絵の具を爪に乗せ、花びらのように「たらしこみ」ます。ぽんぽんと置く感じです。
- 水分が蒸発すると、絵の具の縁が濃く残り、あの独特のニュアンスが出ます!
- 絵の具が完全に乾いたことを確認してから、トップコートをたっぷり塗って完成です。
この方法なら、紫陽花(アジサイ)のような、ふんわりとしたお花も簡単に描けますし、複数の色をにじませてヨーヨー柄のように見せることも可能です。ぜひ挑戦してみてください。
ネイルチップの取れない付け方
学校やお仕事の都合で、普段はネイルができない人にとって、浴衣を着る日だけ楽しめるネイルチップは最強の味方ですよね。デザインも豊富ですし、事前に準備しておけるのも大きなメリットです。
でも、一番の心配は「お祭りの途中で取れちゃうこと」…これ、本当に悲しいですよね。人混みで落としたら、もう見つからない可能性も高いですし…。でも、安心してください。ネイルチップが「取れる」原因をちゃんと理解して、プロ級の装着ステップを踏めば、持続力は劇的に向上します。
原因1:自爪の油分・水分
チップが取れやすくなる最大の原因がこれです。爪の表面には、目に見えない皮脂や水分、直前に塗ったハンドクリームなどの油分が必ず付着しています。これらが残っていると、接着剤(粘着グミや両面テープ)が爪にしっかりと密着せず、バリアのようになってしまい、剥がれやすくなります。
対策: チップを装着する「直前」に、消毒用エタノールや除菌アルコール、またはノンアセトンの除光液で爪の表面を徹底的に拭き取ります。
原因2:爪のカーブとチップの隙間
人の爪のカーブは、平らな人(フラット)から丸みが強い人(ハイカーブ)まで様々ですが、市販のネイルチップは一定のカーブで作られています。そのため、自分の爪のカーブとチップのカーブが合っていないと、間に「隙間」ができて「浮いている」状態になります。この隙間があると、少しの衝撃でテコの原理が働き、簡単に外れてしまいます。
対策: 隙間を埋めることができる、厚みのある「粘着グミ」を使用します。薄い両面テープだと、この隙間を埋めきれず、取れやすくなることが多いです。
チップ装着で重要な1mmの隙間

油分除去や粘着グミの使用も大切ですが、プロ級の「取れない」装着には、もう一つ絶対に守ってほしい「最重要のコツ」があります。それは、ネイルチップの根元の位置です。
「チップを甘皮(爪の根元の皮膚)にぴったりくっつけて貼らない」こと。
最重要:甘皮から「0.5mm~1mm」の隙間を空ける!
これは本当に重要です。なぜなら、甘皮は柔らかい「皮膚」であり、指を動かすたびに伸縮するからです。
もしチップが甘皮に触れている(乗っている)と、指の動き(皮膚の伸縮)が、硬いチップの端に直接伝わってしまいます。すると、「テコの原理」でチップを根元からグイグイと押し上げてしまうんです。
このわずか1mmほどの「遊び(クリアランス)」を作るだけで、皮膚の動きとチップが干渉しなくなり、チップは圧倒的に取れにくくなります。見た目も、少し隙間があった方が自爪が伸びたかのように自然に見えますよ。これは本当に大切なポイントなので、ぜひ試してみてください。
装着前の完璧な準備ステップ
持続力をさらに高め、見た目を美しくするための準備ステップもご紹介しますね。
- ファイリング: 爪切りで切ると二枚爪の原因になることもあるため、ネイルファイル(やすり)を使って、チップを装着したときに自爪が裏から見えないよう「短め」に削り整えます。形はチップの形に合わせるのがベストです。
- 甘皮ケア: ネイルチップを装着する上で「甘皮ケア」は非常に重要です。爪の根元にある甘皮(キューティクル)を処理することで、チップを装着できる面積が広がり、持続力がアップし、見た目も自然になります。
- 油分・水分の徹底除去: 甘皮ケアが終わったら、石鹸で手を洗い、オイルや削った際に出たダスト(粉)を洗い流します。その後、消毒用エタノールやノンアセトン除光液を含ませたキッチンペーパー(ティッシュは繊維が残りやすいため非推奨)で、爪の表面、爪の間、甘皮の根元まで徹底的に拭き取ります。
- (拭き取り後)絶対に爪の表面を触らない: これ以降、チップを装着し終わるまで、絶対に爪の表面を指で触らないでください(指の皮脂が付着するためです)。
- 粘着グミの装着: 自爪のサイズに合った粘着グミを選び、自爪の甘皮側(根元)から「少し隙間を空けて」貼り付けます。空気が入らないようにしっかり貼ります。
- チップの装着と圧着: 前述の通り、甘皮から0.5mm~1mmの隙間を空けてチップを配置し、位置が決まったら爪全体を指で上から強く10秒ほど圧着します。特にフチ部分までしっかり押し、空気を抜くように密着させます。
安全な外し方とアフターケア
装着後、無理に剥がすのは絶対にNGです! 自爪の表面が一緒に剥がれてしまい、深刻なダメージに繋がります。
外し方: ぬるま湯に指を浸し、粘着グミが水分を含んでふやけるのを待ちます。チップと自爪の隙間にウッドスティック(なければ爪楊枝でも)などを差し込み、少しずつ隙間を広げるように、優しく剥がしていきます。
アフターケア: 外した後は、自爪に残った粘着剤を取り除き、ネイルオイルやハンドクリームでしっかりと保湿ケアを行います。
※無理な取り外しは爪を傷める原因となります。国民生活センターからも、除光液の使用や無理な力によるトラブルについて注意喚起がされています。必ず優しく取り扱ってください。
浴衣のフットネイルで足元美人

浴衣のコーディネートは、手元だけでなく、下駄から「ちらり」とのぞく足元までこだわってこそ完成、と私は思っています。フットネイル(ペディキュア)は、まさに隠れた仕上げですね。
ハンドネイルとフットネイルでは、求められる役割が少し異なります。この違いを理解するのが、洗練された浴衣姿への近道です。
ハンドネイルは人の目につきやすく、食事の際にも目に入るため、「抜け感」「上品さ」「清潔感」が求められます。一方、フットネイルは下駄から「ちらり」とのぞく程度であり、面積も限られています。そのため、「少々派手なデザインでも冒険できる」のがフットネイルの醍醐味。
戦略としては、「ハンドは上品に、フットは大胆に」と意識するとバランスが取りやすくなりますよ。
フットネイルのコーディネート術
フットネイルの色選びは、ハンドとは少し異なります。ハンドと同様に浴衣のベース色に合わせるのも良いですが、私のおすすめは、上級者テクとして下駄の「鼻緒」や「帯」の色とリンクさせること。非常にさりげなく、計算されたおしゃれ上級者に見えます。
アートの配置は、下駄やサンダルから最もよく見える「親指」に華やかなビジューやアートを集中させ、他の指はシンプルなワンカラーにするなど、強弱をつけるとバランスが良くなります。
2025年 浴衣フットネイルデザイン例
- カラフルに楽しむ♪ヨーヨーネイル: 爪全体をヨーヨーに見立てたアート。シャーベットカラーを選ぶと涼しげ。赤・紫・ピンクなど、多くの浴衣の地色とマッチします。
- 大人女子は夢中♡ネイビー×シルバービジューネイル: 色白効果が期待できるネイビーは、夏のフットネイルの定番。シルバーラメやシェル、スタッズを組み合わせ、ダーク系の浴衣に。
- フラッシュジェルで楽しむ☆キラキラネイル: シルバーラメのフラッシュジェルをベースに。単色でも十分な存在感。浴衣の色味ではなく、ヘアアクセサリーなどと色をリンクさせる「遊び心」も◎。
必須の「フットケア」
フットネイルを施す上で忘れてはならないのが、土台となる「素足」のケアです。どんなに素敵なデザインでも、かかとがガサガサだったり、甘皮が伸びていたりすると魅力が半減…。夏は素足になる機会が多いので、ネイルデザインと同じくらいフットケアも重要です。
お風呂でかかとをやすりで削る「角質除去」や、爪周りの「甘皮処理」、そしてお風呂上がりの「保湿」を行うだけで、ネイルの仕上がりと見栄えが格段に上がります。美しい素足があってこそ、浴衣のフットネイルは真に映えると言えますね。
完璧な浴衣ネイルで夏を楽しもう
浴衣ネイルの選び方から、トレンド、セルフネイル、そして取れないチップの付け方まで、かなり詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
色合わせのルールやトレンドを知ることも大切ですが、私が思うに、一番大事なのは「ご自身がワクワクするかどうか」かなと思います。基本のルール(涼しげな抜け感!)を押さえつつ、セルフで挑戦してみたり、チップで1日限定のおしゃれを楽しんだり…。浴衣を着る特別な日のために、ネイルをどうしようかと悩む時間も、また楽しいものですよね。
この記事が、あなたの浴衣ネイル選びのヒントになれば、とても嬉しいです。
今年の夏は、指先までこだわった完璧な浴衣ネイルで、特別な時間をめいっぱい楽しんでくださいね。きっと素敵な夏の思い出になると思います。
