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着物が似合う人になりたい!特徴と悩み別解決策ガイド

着物が似合う人になりたい!
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こんにちは!ハーモニーニッポンのスタッフです。着物に興味を持ち始めたばかりの方や、これから七五三、成人式、卒業式、またはちょっとしたお出かけで着てみたいと思っている方の中には、「自分は着物が似合う人なのかな?」「体型にコンプレックスがあるから、似合わないかも…」と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

「着物が似合う人」と聞くと、なんだか特別な響きがあって、伝統的な特徴、例えばなで肩で、色白で、すっきりした顔立ちをイメージするかもしれません。でも、現代では洋服を選ぶときに骨格診断やパーソナルカラーを参考にするのが当たり前になっていますよね。実は、着物もまったく同じなんです。

いかり肩や胸が大きいといった現代人ならではの体型のお悩み、身長が高い・低い、ぽっちゃり体型、または似合う髪型がわからないといった不安も、実は着付けの「補正」や「工夫」次第で全部カバーできるんです。大切なのは、生まれ持った特徴よりも、ご自身の顔タイプや骨格を活かす「コツ」を知ること。もちろん、男性の着こなしにも女性とは違ったポイントがあります。

そして何より、私が思う一番の「似合う」要素は、堂々とした姿勢や、着物を楽しむ「雰囲気」だったりします。この記事では、「着物が似合う人」に関するあらゆる疑問や不安を解消するために、伝統的な特徴の解説から、現代の悩み別解決策まで、少し踏み込んでわかりやすく解説していきますね。

記事のポイント
  • 伝統的に「着物が似合う」とされた特徴とその文化的背景
  • 骨格診断や顔タイプでわかる「自分だけの似合う」の見つけ方
  • いかり肩や身長など体型コンプレックスを魅力に変える具体的な解決策
  • 着物姿を格段に美しく見せる、姿勢や雰囲気の作り方

伝統的な「着物が似合う人」の特徴

伝統的な「着物が似合う人」の特徴

まずは、昔から「着物美人の条件」みたいに言われる特徴についてです。これには、着物という衣服の構造や、日本の美意識が深く関係しているんです。でも、これが「絶対」ではないので、まずは「知識」として知っておきましょう! 

伝統的な特徴と美しさの理由

着物って、洋服と根本的に作りが違います。洋服が体を立体的に包む(ダーツなどで体に沿わせる)のに対し、着物は直線的に裁断された布を体に「巻き付ける」ことで成立する、平面的な衣服なんですよね。この構造こそが、「理想」とされた体型に大きく関係しています。

なで肩

洋服は肩で重さを支えるため、ハンガーのようにある程度の肩幅があった方が格好良く着こなせることが多いですよね。でも、着物は肩から裾(すそ)にかけて布がまっすぐ、重力に従って落ちるように着るのが美しいとされます。なで肩だと、その布のラインに自然に沿って、角のない丸みのある優しいシルエットが生まれます。いかり肩だと肩の部分で布が張ってしまい、少し角張った印象になりやすいんですね。生地が体にフィットしやすいという機能的な面もあったみたいです。

凹凸の少ない「寸胴」の体型

これは「太っている方がいい」という意味では全くなくて、「体の凹凸が少ない方がいい」という意味です。なぜかと言うと、着物、特に訪問着や振袖などは、広げたときに美しい柄が一枚の絵のようになるようにデザインされています。もしバストやヒップに大きな凹凸があると、そこで生地がグッと引っ張られて不自然なシワができたり、せっかくの美しい柄が歪んで見えたりします。

「補正(ほせい)」が着付けのキモ!

だからこそ、着付けの時にタオルや専用のパッドを使って、体の凹凸(バストの丸み、ウエストのくびれ、お尻のふくらみ)をなだらかにする「補正」をします。つまり、生まれつき寸胴じゃなくても、着付けのプロセスで「寸胴」という、着物の柄を美しく見せるための理想のキャンバス姿に「作り上げる」のが大前提なんです。これは現代の着付けでも一番重要なポイントですよ。

顔立ちや肌、髪型の伝統的な理想

顔立ちや肌、髪型の伝統的な理想

体型以外にも、顔立ちや肌の色にも「理想」とされてきたイメージがありました。

古風な顔立ち(あっさり顔)

一般的に「しょうゆ顔」や「塩顔」と言われるような、切れ長の一重まぶた、すっとした(または低めの)鼻、薄めの唇といった特徴が、伝統的な和装には似合うとされてきました。これは、着物自体が持つ平面的な印象と、あっさりした顔立ちが調和しやすかったから、と言われています。輪郭も卵型や丸顔だと、着物の柔らかい雰囲気と調和しやすいと言われますね。

色白・黒髪

「色の白いは七難隠す」なんて言葉もあるように、日本では古くから白い肌が美しいとされてきました。特に着物の持つ鮮やかな色彩(赤や紫、金糸銀糸など)は、白い肌によく映えるとされてきたんですね。また、黒髪が「和」の雰囲気と一番調和し、着物の色柄を引き立てると考えられていました。

現代では「調和」が大切

でも、これらはあくまで伝統的な価値観です。現代では日焼けした健康的な肌に似合うシックな着物もたくさんありますし、明るいヘアカラーに合わせた華やかなコーディネートも大人気です。大切なのは「黒髪じゃなきゃダメ」ではなく、ご自身の髪色や肌色と、着物の色柄が「調和」しているかどうか、ですね。

姿勢や雰囲気が大切な理由

私が個人的に一番大事かなと思うのが、実はこれです。どんなに体型や顔立ちが伝統的な理想に近くても、猫背でだらしない姿勢だと、着物は一気に着崩れて見えてしまいます。衿元が詰まって見えたり、おはしょりが乱れたり…。

逆に、着物を着ると帯が体をコルセットのように支えてくれるので、意識しなくても自然と背筋が伸びやすくなります。ピンと伸びた背筋、そして「人に見られている」という良い緊張感が、その人の内面にも作用して、自然と所作(しょさ)が丁寧になったりします。この内面からにじみ出る「雰囲気」や「佇まい」こそが、着物が似合う人の最大の共通点かもしれませんね。

男性の着物が似合う特徴

男性の着物が似合う特徴

男性の着こなしは、女性とはまた少しポイントが違います。女性が「寸胴」という円柱形のシルエットを目指すのに対して、男性はむしろ体幹がしっかりしていて、お腹周りが安定している(少し出ているくらい)方が、堂々として格好良く見えます。「貫禄」や「安定感」が大事なんですね。

細身の方だと、帯を締めた時にお腹周りがスカスカして貧相に見えてしまうことがあります。そのため、着付けの際にタオルや専用の補正具をお腹周りに入れて、あえてボリュームを出すこともあります。安定感のある堂々とした着姿が、男性の着こなしのポイントなんですね。

工夫でなれる現代の「着物が似合う人」

工夫でなれる現代の「着物が似合う人」

伝統的な特徴を知った上で、ここからは「じゃあ、現代の私たちはどうすればいいの?」という具体的なお話です。伝統は知識としてリスペクトしつつ、現代の私たちは「工夫」で似合わせましょう!結論から言うと、悩みは全部解決できますし、着物が似合わない人なんていないんですよ。

骨格診断で知る似合う着こなし

洋服選びでおなじみの「骨格診断」、実は着物にもすごく有効なんです。自分の骨格タイプを知ることで、体型をより美しく見せる着付けのコツや、似合う柄・素材がわかります。

骨格ストレート

上半身に厚みがあり、筋肉のハリを感じさせるメリハリボディが特徴。着物だと、その厚みが「着太り」に見えやすいのが悩みどころ。コツは、衿元を詰めすぎず、すっきりと抜け感を出すこと。首周りをV字に開けるイメージですね。素材は、ハリのある上質な(ちりめんや紬など)ものが似合います。柄も、無地や、コントラストが効いた大判の柄、直線的な柄(絣など)が得意です。

骨格ウェーブ

華奢で、曲線的なボディライン、柔らかな肌質が特徴。着物だと、上半身が貧相に見えたり、帯が下がりやすかったりするのが悩みかも。補正でしっかり上半身(特に胸元)に厚みを持たせ、衿元はあまり抜きすぎない方がバランスが取れます。素材は、綸子(りんず)のような柔らかく光沢のあるもの。柄は、小花柄や曲線的なデザインなど、繊細で柔らかなものが得意です。

骨格ナチュラル

肩幅がしっかりしているなど、骨格のフレーム感が目立つスタイリッシュなボディライン。実は、この直線的なフレーム感が着物の直線的な構造と相性が良く、一番着こなしやすいタイプとも言われています。補正もあまり必要ないことが多いですね。ラフな着こなしや、個性的な柄、ざっくりとした風合いの素材(紬など)も格好良く決まります。

顔タイプやパーソナルカラーで選ぶ

着物が似合う人になりたい!

骨格で「スタイルアップ」を狙ったら、次は顔タイプやパーソナルカラーで「魅力アップ」です。似合う色やテイストを選ぶと、一気に垢抜けますよ。

パーソナルカラー

ご自身の肌や瞳の色と調和する色(パーソナルカラー)を着物に取り入れると、顔色を明るく健康的に見せ、魅力を最大限に引き立てることができます。

タイプ 特徴 似合う色のイメージ
イエベ春 (スプリング) 温かみのあるイエローベース。
明るく鮮やかな色が得意。
桜色、ピーチピンク、黄緑、コーラル系など、春の花々のような明るい色。
ブルベ夏 (サマー) 涼しげでソフトなブルーベース。
パステルやスモーキーカラーが得意。
紫陽花のようなラベンダー、スカイブルー、ミントグリーンなど、爽やかで上品なくすみカラー。
イエベ秋 (オータム) 温かみのあるイエローベース。
深みがありリッチな色が得意。
最も「和」の伝統色が似合うタイプかも。錆朱(さびしゅ)、カラシ色、深い緑、ブラウン系など。
ブルベ冬 (ウィンター) 涼しげなブルーベース。
シャープで高コントラストな色が得意。
黒、白、濃紺、バーガンディー(深い赤)、ロイヤルブルーなど、ハッキリとした鮮やかな色。

顔タイプ

顔の輪郭やパーツの配置・形状から、似合う服の「テイスト」を診断するのが顔タイプ診断です。これも着物選びにすごく役立ちます。

  • キュート / アクティブキュート: 可愛らしさ、若々しさが特徴。小花柄や丸みのある柄、明るい色が似合います。振袖なども華やかに着こなせますね。
  • フレッシュ: 清楚で爽やかな印象。淡い色の無地や、シンプルで直線的な柄(ストライプや格子)が、その魅力を引き出します。
  • ソフトエレガント / エレガント: 上品で優しい、または華やかな印象。桜、松、流水といった古典的で上品な柄や、洗練された大柄なものが似合います。
  • クール: 凛々しく、直線的な印象。ストライプやボーダー、シャープな幾何学模様、線的な花柄など、はっきりとした直線的な柄が似合います。

いかり肩や胸が大きい悩みの解決法

これは現代人、特に骨格ストレートタイプの方に多いお悩みですよね。でも、安心してください。これは「補正」と「着付けの技術」で劇的に改善されます。

いかり肩・肩幅が広い

着付けの技術で視覚的にカバーします。長襦袢(ながじゅばん)の段階が勝負です。衣紋(えもん。首の後ろの衿)を通常よりもしっかりと後ろに抜き、衿の角度を立て気味にします。そして、首の横(耳の下あたり)の空間を通常よりも「広め」に取ることで、肩のラインが視覚的に内側に入り、肩幅が目立たなくなります。また、肩の角張ったラインをなだらかにするため、タオルをたすき掛けのように使って補正することもあります。

胸が大きい

洋装ブラ(寄せて上げるブラ)は絶対にNGです! 胸が強調され、柄が歪み、余計に太って見えてしまいます。必ず、バストトップを抑えて胸全体をなだらかにする「和装ブラジャー」を着用してください。これだけでも着姿が全然違います。その上で、胸の上部(鎖骨下)や、胸の下(みぞおち)のくぼみに、タオルやおしぼりタオルを当てて、胸の丸みとの段差をなくし、胸からお腹にかけてが「なだらかな斜面」になるように補正します。これが美しく着こなす最大の鍵です。

身長(高い・低い)の悩み解決法

身長(高い・低い)の悩み解決法

身長も、似合う・似合わないではなく、バランスの取り方次第です。

身長が高い人

布面積が広くなるので、小さな柄や、柄が一部にしかない着物(訪問着など)を選ぶと、無地の部分が多くなり「寂しい印象」になりがちです。その広いキャンバスをキャンバスとして最大限に活かせる、大胆な柄、全体に柄が入った「総柄」、カラフルな配色が最も似合います。着付けでは、帯の位置を通常よりも「低め」に結ぶことで、全体のバランスが整い、子供っぽくならず落ち着いた印象に仕上がります。

身長が低い人

身長が低い方は、逆に大柄な着物だと柄に「負けてしまう」11 可能性があります。「小花柄」など小さめの柄を選ぶと、身長とのバランスが取れ、可憐な雰囲気が引き立ちます。柄の主張が少ないことで、シルエットが引き締まる効果もありますね。また、視線を縦に誘導する斜めに柄が入ったデザインや、明るいパステルカラーなどもおすすめです。着付けでは、帯の位置を「高め」に結ぶと、視線が上に集まり、スタイルアップ効果が期待できます。

ぽっちゃり・痩せ型の悩み解決法

体型も、色柄選びと「補正」でしっかりカバーできますよ。

ぽっちゃり(ふくよか)な人

体型をすっきりと見せる色柄選びがポイントです。白やパステルカラーといった「膨張色」は、体型をより大きく見せてしまう可能性があるため、避けるのが無難かも。黒、濃紺、深い緑などの「収縮色」を選びましょう。柄は、縦方向のラインを強調するストライプ状(縦縞)のものや、上半身よりも下半身(裾)に柄が集まっているものを選ぶと、全身がすっきり見えます。着付けでは、衿元をすっきり開けて、首を長く見せるのもコツです。

ほっそり(痩せ型)な人

痩せ型の方は、収縮色(青、黒など)は、元々華奢なスタイルをさらに細く見せ、寂しい印象(「着せられてる感」)を与えてしまうことがあります。むしろ赤やピンク、パステルカラーなどの「膨張色」や、華やかでボリュームのある柄を選び、ゴージャスな雰囲気に仕上げるのがおすすめです。そして何より、理想の円柱形を作るための「補正」が命です。ウエスト周りや胸元などにタオルを通常よりもしっかりと使い、ボリュームを出す補正を行います。

誰でも着物が似合う人になれる

ここまで読んでいただいて、もうお分かりいただけたかもしれませんね。

伝統的に「着物が似合う」とされてきた「なで肩・寸胴・あっさり顔」といった特徴は、あくまで着物という衣服の構造上、最も美しく見せるための「型」であったにすぎません。

現代において「着物が似合う人」とは、生まれつきの体型や顔立ちに恵まれた人のことではありません。それは、自分の体型(骨格)、顔立ち、肌の色を客観的に理解し、それに合わせて「補正」「着付け」「色柄選び」「メイク」、そして「所作」といった工夫(コツ)を正しく実践できる人のことだと、私は思います。

コンプレックスは、それをカバーするための知識と技術によって、むしろ個性や魅力へと昇華させることができます。着物は、正しく着付けさえできれば、誰でも必ず似合う衣装なのです。ぜひ、ご自身の魅力を最大限に引き出す着こなしを見つけて、着物ライフを楽しんでくださいね!

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ブロガー
日々の生活の中に「和の心」を取り入れるライフスタイルを発信中。 ハーモニーニッポンでは、日本の四季・食・文化の魅力を世界に伝える記事を執筆しています。 好きな食べ物は焼き鳥。
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