浴衣は一人で着れる?簡単な着付けのコツと準備
夏祭りや花火大会で浴衣を着たいけれど、「浴衣一人で着れるかな?」「自分で着るのは難しいんじゃないか」と不安に感じていませんか。特に着付け初心者の方にとっては、ハードルが高く感じられるかもしれません。最近はワンピース浴衣のような便利なアイテムも登場していますが、伝統的な浴衣の着方を知っておくと、着こなしの幅が広がります。この記事では、男の浴衣の着方も含め、初心者でも一人で綺麗に着付けができるようになる準備やコツを分かりやすく解説します。
- 浴衣の着付けに必要な最低限のアイテムが分かる
- 初心者でも簡単な浴衣の着付け手順が分かる
- ワンピース浴衣や男性浴衣の着付け方も理解できる
- 着崩れを防ぐためのチェックポイントが学べる
浴衣を一人で着れるようになるための基本準備
- 着付けに必要な基本小物リスト
- 自分で着るのが難しいという誤解
- 初心者が着付けにかかる平均時間
- 着付け前に済ませるメイクと髪型
- 浴衣用下着と肌着の必要性
着付けに必要な基本小物リスト

浴衣を一人で着付けるためには、浴衣本体と帯以外にもいくつかの小物を準備する必要があります。これらが揃っているかで、着付けのしやすさや仕上がりの美しさが大きく変わってきます。
まずは、最低限必要なものと、あると格段に便利になるものを分けて確認しましょう。
特に腰紐(こしひも)は着付けの土台となる重要なアイテムです。最低2本、できれば3本あると安心ですよ。
| アイテム | 役割と特徴 | 必要度 |
|---|---|---|
| 浴衣 | 着物の本体です。 | 必須 |
| 帯 | 半幅帯(はんはばおび)が一般的。兵児帯(へこおび)や作り帯(つくりおび)もあります。 | 必須 |
| 腰紐(こしひも) | 浴衣を固定し、おはしょりを作るために使います。最低2本は必要です。 | 必須 |
| 肌着(浴衣スリップ) | 汗取りと透け防止のために着用します。ワンピース型が便利です。 | 必須 |
| 伊達締め(だてじमे) | 腰紐の上から巻き、衿元やおはしょりを押さえて着崩れを防ぎます。 | 推奨 |
| 帯板(おびいた) | 帯の間に挟み、帯にシワが寄るのを防ぎます。仕上がりが美しくなります。 | 推奨 |
| コーリンベルト | 衿元を固定し、着崩れを防ぐゴムベルトです。胸紐の代わりにもなります。 | 推奨 |
| 補正用タオル | 細身の方や、寸胴体型に補正するために使います。2〜3枚あると便利です。 | 体型による |
これらの小物は、呉服店やオンラインストア、大型スーパーの浴衣売り場などでセット販売されていることもあります。初心者の方は、まず必要なものが揃っているかを確認することから始めましょう。
自分で着るのが難しいという誤解
浴衣の着付けに対して、「自分で着る 難しい」というイメージを持っている方は少なくありません。確かに、初めて挑戦するときは手順が多く感じられ、戸惑うこともあるでしょう。
しかし、浴衣は着物と比べて構造がシンプルであり、もともと湯上がりに着るリラックスウェアであったことから、比較的簡単に着られるようにできています。難しいと感じる原因の多くは、「手順がわからない」「どこをどれくらい締めればよいか力加減が不明」といった点にあります。
浴衣の着付けは「慣れ」が重要です。
正しい手順とポイントさえ押さえれば、誰でも必ず一人で着られるようになります。動画サイトなどを見ながらでも、2〜3回練習すれば、見違えるほどスムーズに着付けができるようになりますよ。
データベースの情報によれば、毎日浴衣を着る仕事の方は10分以内で着付けを終えることができます。まずは難しく考えすぎず、挑戦してみることが大切です。
初心者が着付けにかかる平均時間

着付け 初心者の方が、説明書や動画を見ながら初めて浴衣を着る場合、かかる時間は平均して1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。これには、浴衣を着る時間だけでなく、帯を結ぶ時間も含まれます。
もちろん個人差はあり、手先が器用な方や予習をしっかりしている方であれば、30分ほどで着られる場合もあります。逆に、帯結びに苦戦してしまうと、1時間半以上かかることも珍しくありません。
当日の着付け時間に注意!
お祭りや花火大会など、お出かけ当日に初めて着付けに挑戦するのは避けましょう。思った以上に時間がかかって焦ってしまい、着崩れしやすい仕上がりになる可能性が高いです。必ず事前に最低1回は練習しておきましょう。
データベースの情報でも「初めて着た時は私は1時間くらいでした」という声がある一方、「慣れれば10分かかりません」という意見もあります。練習を重ねることで、30分、20分と時間は短縮されていきます。
着付け前に済ませるメイクと髪型

浴衣の着付けを始めるタイミングは、メイクとヘアセットが全て完了した後が鉄則です。これは、着付けの仕上がりを美しく保つために非常に重要なポイントとなります。
主な理由は以下の2点です。
1. 浴衣への汚れ付着防止
浴衣を着た後にメイクをすると、ファンデーションやアイシャドウの粉が衿元に付着したり、ヘアスプレーやワックスが浴衣にかかってしまったりする可能性があります。浴衣は洋服のように頻繁に洗濯できないため、汚れは厳禁です。
2. 着崩れの防止
浴衣を着た状態は、洋服の時よりも腕が上がりにくく、体を大きくひねる動作も制限されます。その状態で無理にメイクやヘアセットを行おうとすると、せっかく整えた衿元やおはしょりが崩れてしまう原因になります。
当日は「浴衣を着たら、あとは出かけるだけ」という状態を準備しておくのが理想です。着付けに必要な小物もすべて手の届く範囲に広げてから、着付けをスタートしましょう。
浴衣用下着と肌着の必要性
浴衣を着る際、Tシャツや普段の下着で代用しようと考える方もいるかもしれませんが、浴衣専用の下着(肌着)を用意することを強くおすすめします。専用下着には、浴衣姿を美しく見せ、快適に過ごすための大切な役割があります。
1. 汗じみと汗対策
夏の暑い時期に着る浴衣は、汗をかきやすいものです。肌着を着ていないと、汗が直接浴衣に染み込み、汗じみの原因となります。また、汗で浴衣が肌に張り付くと、非常に不快で着崩れも起こしやすくなります。吸湿性・速乾性に優れた浴衣スリップなどを着用しましょう。
2. 透け防止
浴衣は、特に白地や淡い色のものは生地が薄く、下着のラインや色が透けやすいです。特に屋外の日差しや強い照明の下では、自分が思っている以上に透けて見えることがあります。色の薄い、透けにくい専用下着は必須のマナーと言えます。
3. 体型補正(胸のボリュームダウン)
浴衣は、洋服とは異なり、凹凸のない寸胴(ずんどう)体型のほうが美しく着こなせます。特に胸が大きい方は、普段のワイヤー入りブラジャーを着用すると胸が強調され、帯の上に胸が乗ってしまい、太って見えたり老けた印象になったりすることがあります。
胸のボリュームを抑えるためには、和装ブラの使用が最適です。持っていない場合は、ワイヤーやパッドの入っていないスポーツブラや、カップ付きのキャミソールで代用するのも一つの方法です。
浴衣は一人で着れる?簡単な着付けのコツ
- 簡単な着付けの基本ステップ
- おはしょりを綺麗に整える方法
- 着崩れを防ぐチェックポイント
- ワンピース浴衣 という簡単な選択肢
- 男の浴衣の簡単な着付け方
簡単な着付けの基本ステップ

浴衣の着付けは、一つひとつの手順を丁寧に行うことが成功の鍵です。ここでは、一人で着るための基本的なステップを解説します。
ステップ1:浴衣を羽織り、裾(すそ)の長さを決める
まず肌着(浴衣スリップなど)を着た上から浴衣を羽織ります。背中の縫い目(背中心)が背骨の真ん中に来るように合わせます。次に、浴衣の衿先から3分の1くらいの場所を両手で持ち、裾がくるぶしの中心あたりに来るように持ち上げます。
ステップ2:下前(したまえ)と上前(うわまえ)を合わせる
「右前(みぎまえ)」を徹底しましょう!
浴衣(和装)は、自分から見て「右側の布が先(下)、左側の布が後(上)」になるように合わせます。これを「右前」と呼びます。逆の「左前」は亡くなった方の着せ方となるため、絶対に間違えないように注意してください。
裾の高さを決めたら、まず右側の布(下前)を左の腰骨あたりに巻き付けます。次に左側の布(上前)をその上に重ねます。このとき、上前の幅が右の腰骨あたりに来るのが目安です。
ステップ3:腰紐(こしひも)を結ぶ
上前を重ねたら、1本目の腰紐(こしひも)を使います。紐の中心を腰骨のすぐ上あたりにあて、後ろで交差させてギュッと締めます。前に持ってきて蝶結びなどで結び、余った紐は腰紐に挟み込みます。
ステップ4:おはしょりを整える
腰紐の上にある余った布が「おはしょり」です。脇の下の開いている部分(身八つ口)から両手を入れ、前後のシワをきれいに伸ばし、平らに整えます。(詳細は次の見出しで解説します)
ステップ5:衿(えり)を合わせ、胸紐を結ぶ
まず、衣紋(えもん)を抜きます。背中心を持って少し後ろに引き、うなじと浴衣の間にこぶし一つ分くらいの隙間を作ると、涼しげで上品な印象になります。
次に衿を合わせます。喉のくぼみ(鎖骨の間)で左右の衿がV字に交差するように整えましょう。この形が崩れないように、胸の下(アンダーバスト)あたりで2本目の腰紐(またはコーリンベルト)を締めて固定します。
ステップ6:伊達締め(だてじमे)を巻く
最後に、胸紐の上から伊達締めを巻いて、おはしょりと衿元をしっかり固定します。これで浴衣の着付けは完了です。この後に帯を結んでいきます。
おはしょりを綺麗に整える方法
「おはしょり」は、浴衣の着付けで最も目立つ部分の一つであり、ここが綺麗に整っているかどうかで全体の印象が大きく左右されます。腰紐を結んだ後、シワシワのまま放置してはいけません。
ポイントは、身八つ口(みやつぐち)と呼ばれる脇の開口部から手を入れて内側から整えることです。
おはしょりを整える手順
- まず、前側のおはしょりを整えます。身八つ口から両手を入れ、おはしょりの内側から布をつまみ、前後に優しく引いてシワを伸ばします。
- シワが伸びたら、おはしょりの下のラインが床と平行になるように整えます。
- 次に、後ろ側のおはしょりです。同じく身八つ口から手を入れ、背中側のシワを左右の脇に向かって逃すように、手刀でならします。
- おはしょりが長すぎる場合は、腰紐の下で折り返して長さを調整し、伊達締めで隠します。
おはしょりがゴロゴロと団子のようになっていると、見た目が悪いだけでなく、その上から巻く帯も綺麗に仕上がりません。鏡を見ながら、前後左右、スッキリと平らになっているかを確認しましょう。
着崩れを防ぐチェックポイント

帯を結ぶ前に、着付けが正しくできているか、着崩れしやすい箇所がないかを最終チェックすることが重要です。以下の6つのポイントを確認しましょう。
- 衿が開きすぎていないか
衿の合わせは、鎖骨のくぼみが見える程度が上品です。開きすぎるとだらしない印象になります。 - おはしょりに余分なシワはないか
前述の通り、おはしょりがスッキリと平らになっているか、前後の長すぎたり短すぎたりしていないかを確認します。 - 浴衣全体が裾つぼまりになっているか
美しい着姿は、裾に向かって細くなる「裾つぼまり」のシルエットです。上前を少し引き上げ気味に着付けると、この形にしやすくなります。 - 衣紋(えもん)の抜きは適正か
うなじの後ろの隙間は、こぶし一つ分が目安です。抜きすぎるとだらしなく、詰まりすぎると窮屈に見えます。 - 背縫い(せぬい)は歪んでいないか
背中の中心にある縫い目が、背骨の真上をまっすぐ通っているかを確認します。これが歪んでいると、着崩れの大きな原因となります。 - 浴衣の丈は適切か
裾の長さは、くるぶしの真ん中あたりが適切です。長すぎると裾を踏んでしまい、短すぎると子供っぽい印象になります。
特に背縫いの歪みと腰紐の締まり具合は重要です。土台となる腰紐が緩いと、どんなに他を綺麗に整えても動いているうちに必ず崩れてきますよ。
ワンピース浴衣 という簡単な選択肢
「どうしても従来の着付けは難しそう」「もっと手軽に浴衣を楽しみたい」という方には、ワンピース浴衣(セパレート浴衣とも呼ばれます)という選択肢もあります。
これは、浴衣が上下(羽織る上着と、ワンピースやスカート)に分かれているタイプの浴衣です。従来の浴衣とは構造が異なりますが、近年非常に人気が高まっています。
ワンピース浴衣のメリット
- 着付けが圧倒的に簡単
ワンピース(またはスカート)を着て、上着を羽織るだけなので、洋服感覚で5分~10分もあれば着用できます。おはしょりを作る必要もありません。 - 涼しくて動きやすい
内側がワンピースやスカートなので、従来の浴衣のように裾がまとわりつかず、歩幅も気にせず歩きやすいです。 - 必要な小物が少ない
腰紐や伊達締めが不要な場合が多く、最低限の道具で済みます。 - 2WAYで楽しめる
ワンピース部分は、普段着のキャミワンピースとして単体で着られるデザインのものも多くあります。
ワンピース浴衣の注意点
- 着替える場所が必要
家からワンピース姿で出て、出先で上着を羽織る場合、駅のトイレやフィッティングルームなど、着替える場所を確保する必要があります。 - シルエットの違い
腰回りがぴったりと沿う伝統的な浴衣のシルエットとは異なり、少しふんわりとしたラインになります。
手軽さを最優先するなら、ワンピース浴衣は非常に優れた選択肢です。ご自身の目的やシチュエーションに合わせて選ぶと良いでしょう。
男の浴衣の簡単な着付け方

男性の浴衣の着付けは、女性用と比べてさらにシンプルで簡単です。最大の違いは、「おはしょり」を作らない点にあります。
男性の浴衣は、身長に合わせて仕立てられた「対丈(ついたけ)」が基本で、羽織って長さを調整する必要がありません。
男性の着付けに必要なもの
- 浴衣
- 角帯(かくおび) ※兵児帯(へこおび)の場合もあります
- 腰紐(1本)
- 下着(Vネックのシャツやステテコ推奨)
- 下駄
- 信玄袋(しんげんぶくろ)
男性浴衣の着付けステップ
- Vネックのシャツとステテコなどの下着を着用します。
- 浴衣を羽織り、背中心を合わせます。
- 女性同様に「右前」に衿を合わせます。裾の長さはくるぶしのぐりぐり(上)あたりがベストです。
- 腰骨の上あたりで、腰紐を1本結びます。シワを脇に寄せます。
- 角帯(かくおび)を腰紐の少し上あたりに巻きます。2~3周巻き、結び目が背中に来るように回します。
男性の帯結びで最も一般的なのは「貝ノ口(かいのくち)」という結び方です。結び目が小さく、粋な印象を与えます。動画などで検索すると簡単に見つかりますよ。
女性と比べて手順が少なく、慣れれば5分~10分程度で着付けが完了します。細身の方は、腰紐の前にタオルを腰に巻いて補正をすると、帯が安定し恰幅が良く見えます。
練習すれば 浴衣は一人で着れる
- 浴衣一人で着れるようになるには練習が最も重要
- 初めての着付けは平均1時間程度を見込む
- 慣れれば10分から30分で着付けが可能になる
- 自分で着る 難しい というのは先入観でポイントを押さえれば大丈夫
- 着付け 初心者 はまず必要な小物を揃えることから始める
- 浴衣と帯の他に腰紐は最低2本必要
- 伊達締めや帯板があると仕上がりが格段に美しくなる
- メイクとヘアセットは浴衣を着る前に全て済ませておく
- 理由は汚れ防止と着崩れ防止のため
- 浴衣用の肌着は汗取りと透け防止に必須
- 胸のボリュームは和装ブラやスポーツブラで抑えると綺麗に着こなせる
- 着付けは必ず「右前」を守る
- おはしょりは身八つ口から手を入れて内側から整える
- 着崩れ防止には背縫いの中心と腰紐の締め具合をチェックする
- ワンピース浴衣は着付けが簡単で初心者にもおすすめ
- 男 浴衣はおはしょりがなく女性よりさらに簡単
