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着物用ダンボールの選び方とサイズ別活用術

着物用ダンボールの選び方とサイズ別活用術
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大切にしている着物を送る時や、引越しの荷造りをする時、普通の箱でいいのか悩んでしまいますよね。私も以前、手持ちの箱で代用しようとしたのですが、着物独特의サイズ感に全く合わず、結局シワを作ってしまいそうになって焦ったことがあります。着物はデリケートな絹でできているので、保管や輸送には専用の資材が欠かせません。

着物用ダンボールのサイズやどこで買えるかといった疑問、あるいはメルカリでの梱包方法や引越し時の注意点、さらには使い終わった後の捨て方まで、知っておきたいポイントは意外と多いものです。カインズなどのホームセンターで手に入るのか、あるいは140サイズという配送規格にどう収めるかなど、具体的な悩みも尽きませんよね。この記事では、たとう紙にぴったりのサイズの選び方から、100均の資材で代用できるのかという現実的なお話まで、私の実体験を交えながら分かりやすくまとめました。この記事を読み終える頃には、あなたの着物を守る最適な準備ができるようになっているはずですよ。

記事のポイント
  • たとう紙の大きさに合わせた着物用ダンボールの正しい選び方
  • 送料を節約しながら安全に送るための宅配140サイズの活用術
  • 引越し業者やホームセンターなどでの資材入手ルートと価格の目安
  • メルカリ発送や長期保管で失敗しないための梱包と処分のマナー

着物用ダンボールの選び方とサイズの重要性

着物を梱包する上で一番大切なのは、とにかく「折らずに平らに置けること」です。そのためには、中に入れる着物が包まれている「たとう紙」の大きさを基準にする必要があります。ここでは、サイズの選び方や発送時のコストを抑えるコツについて、具体的にお話ししていきますね。

たとう紙のサイズに合わせた最適な箱の選び方

着物を梱包する時の基本単位は、なんといってもたとう紙(文庫紙)です。このたとう紙、実は用途によって大きさが違うってご存知でしたか?私も最初は「全部同じでしょ?」と思っていたのですが、実際に広げてみると驚くほど長さが違うんです。一般的に「大」サイズと呼ばれる着物用は長さが約87〜88cmあります。これを折らずに収納するには、内寸が90cm近い専用の着物用ダンボールを選ばないと、せっかくの着物に余計な折り目がついてしまうんです。

大サイズのたとう紙(約87〜88cm)に対し、折らずに収納できる内寸90cm以上の箱を推奨するサイズ比較の図解。

なぜここまで長さにこだわるのかというと、着物の畳み方(本畳み)に関係があります。着物を半分に折った状態が、ちょうどこの「大」サイズのたとう紙に収まるようになっているんですね。ここで数センチでも足りない箱を選んでしまうと、無理やり端を曲げることになり、数日後には取れないシワになってしまいます。特に振袖や留袖のような重厚な着物ほど、自重でシワが深くなりやすいので注意が必要かなと思います。

たとう紙の主なサイズ目安

  • 大(着物用):約87〜88cm(振袖、訪問着、男性用着物など)
  • 中(帯・襦袢用):約64〜65cm(袋帯や長襦袢、三つ折りにした着物など)
  • 小(産着・短帯用):約55cm(名古屋帯、お子さんの七五三用など)

もし帯だけを送るなら、大きな箱は必要ありません。帯用のサイズ(長さ約65cm前後)の箱を選ぶことで、箱の中で中身が動いてしまうのを防げます。入れるものに合わせてジャストサイズの箱を選ぶことが、結果として着物の品質を守ることにつながるんですよね。また、たとう紙自体も古くなると湿気を吸ってカビの原因になるので、梱包のタイミングで新しいたとう紙に交換してあげるのも、着物への愛着表現の一つかな、なんて私は思っています。

最近では「身幅」の広い着物に対応した、幅広タイプのダンボールも登場しています。通常の幅は約37cm程度ですが、恰幅の良い男性用や、袖の長い振袖をゆったり入れたい場合には、幅が40cm以上あるものを選ぶと安心です。逆に、身丈の短いちりよけや道行コートなどであれば、「中」サイズの箱でも十分対応できるかもしれません。まずは、今あなたの手元にある着物がどのサイズのたとう紙に入っているか、メジャーで測ってみることから始めてみてくださいね。

宅配140サイズで送料を安く抑える発送のコツ

着物を送る時にどうしても気になるのが配送料金ですよね。着物は面積が広いため、どうしても箱が大きくなりがちです。でも、安心してください。実は、多くの着物用ダンボールは「宅配140サイズ」に収まるように、ミリ単位で綿密に設計されているんです。宅配140サイズとは、縦・横・高さの三辺の合計が140cm以内の区分を指します。これを1cmでも超えてしまうと「160サイズ」になり、数百円単位で送料が跳ね上がってしまうんですよね。

私がよくチェックするのは、深さを調整できるタイプの箱です。箱の側面に折り目(折り筋)が複数入っていて、中身の量に合わせて高さを変えられるようになっている優れものです。例えば、着物を1枚だけ送る時は高さを最小限の10cm程度に抑えれば、余裕で140サイズに収まります。逆に3〜4枚まとめて送る場合は、高さを20cmや30cmまで広げることができますが、そうすると合計値が140cmを超えてしまうこともあるので、パズルを解くような慎重な計算が必要になります。

ダンボールの深さを10cmにすると140サイズ、20cmに広げると160サイズ扱いになることを示す、送料節約のための比較図。

タイプ 内寸:長さ (mm) 内寸:幅 (mm) 内寸:高さ (mm) 配送サイズ目安
薄型配送用 約900 約380 約25〜35 140サイズ確定
可変高さタイプ(低) 約885 約375 約100 140サイズ(三辺約136cm)
可変高さタイプ(高) 約885 約375 約200 160サイズ(三辺約146cm)

配送料を抑えるための裏技として、「薄型タイプ」の活用も検討してみてください。これは深さがわずか3cm程度しかありませんが、着物を1枚だけ、たとう紙に入れた状態でぴったり包むことができます。これなら確実に140サイズで送れますし、箱自体が軽量なので扱いも楽です。ただし、郵便局の「ゆうパック」やヤマト運輸の「宅急便」など、各社で重量制限やサイズの測り方に微妙な違いがあることもあります。最終的な送料やサイズ区分については、発送前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してくださいね。

また、大量に送る場合は「あえて140サイズの箱を2つに分ける」方が、巨大な180サイズや200サイズを1つ送るよりも安くなるケースもあります。配送業者の持ち込み割引や会員割引などをフル活用すれば、さらに節約できるかもしれません。大切な着物を安全に、かつ賢く送るためには、箱選びの段階から配送計画を立てることが重要かなと思います。

引越し業者が提供する専用資材のサイズ比較

引越しの際、一番の心配事といえば着物の運搬ではないでしょうか。大手引越し業者は、通常のダンボールとは別に、着物を平らに寝かせて運べる「和装専用ダンボール」を独自に開発して提供しています。これ、実はメーカーが一般販売しているものとはサイズ感が少し違っていて、トラックの荷台に無駄なく積めるように工夫されているんです。業者によって無料でもらえる枚数が決まっていたり、有料販売だったりするので、事前の見積もり時に確認しておくのがおすすめです。

主な引越し業者のサイズを比較してみると、アート引越センターは長さ935mmとかなり余裕を持たせた設計です。一方、日本通運やハート引越センターなどは850mm前後と、標準的なたとう紙にジャストなサイズになっています。この「数センチの差」が意外と重要で、あまりに箱が大きすぎると中で着物が左右に滑ってしまい、結局シワの原因になることもあります。逆に小さすぎると端が折れてしまいますよね。自分の着物の寸法と、業者がくれる箱のサイズが合っているか、さらっと確認しておくだけでも安心感が違いますよ。

引越し作業での最重要注意点

着物を立てて運ぶと中身が崩れるためNG、平らに寝かせるのがOKであることを示す、配送時の天地無用を説明する図。

引越し当日のスタッフの方には、必ず「この箱は着物なので、絶対に縦にしないでください」と笑顔で念押ししましょう。どれほど「和装用」と大きく書かれた箱でも、荷積みの忙しさの中でつい立てて置いてしまうリスクはゼロではありません。着物は横からの圧力(積み重ね)には比較的強いですが、縦方向の重力には非常に弱く、一瞬で中身がぐしゃっとなってしまいます。

また、最近では「ハンガーボックス」の着物版のような、吊るして運べる資材を提案されることもあります。ですが、個人的にはやはり「平置き」をおすすめしたいです。着物専用ハンガーでないと肩のラインが崩れてしまいますし、長時間の移動には不向きな場合が多いからです。また、桐箪笥をそのまま運んでくれるサービスもありますが、その場合も引き出しの中で着物が動かないよう、隙間にクッション紙を詰めるなどの対策を自分で行っておくと完璧です。大切な思い出が詰まった着物ですから、運搬のプロとしっかり協力して守り抜きたいですね。

メルカリでの梱包手順とシワを防ぐ工夫

メルカリなどのフリマアプリで着物が売れた時、梱包には一番気を使いますよね。購入者さんは「憧れの着物が綺麗な状態で届くこと」を何よりも期待されています。私も初めてメルカリで振袖を送った時は、どうすれば無事に届くか一晩中考えたものです。まず、たとう紙に包んだ状態の着物を、大きめの透明な袋(OPP袋や厚手のビニール袋)に入れてしっかり封をしましょう。これで配送中の雨による浸水や、湿気から守る雨濡れ対策はバッチリです。

次に、箱の中で着物が動かないようにする工夫が欠かせません. 着物用ダンボールは底面が広いため、着物1枚だけだと意外と隙間ができてしまいます。そのまま発送すると、運送会社のトラックの中で箱が揺れるたびに着物が右往左往し、たとう紙の中でグチャっとなってしまうんです。これを防ぐために、箱の四隅や上下の空いたスペースにプチプチ(エアー緩衝材)や丸めた新聞紙を詰めましょう。ただし、新聞紙を使う場合はインク写りが怖いので、必ずビニール袋の上から詰めるのが私のこだわりです。

ビニール袋での防水、緩衝材での隙間埋め、折り目への「あんこ(タオル等)」挿入を説明した着物の梱包手順イラスト。

配送中のシワを最小限にする「あんこ」の活用

どうしても着物を三つ折りにしたり、少しコンパクトに梱包したりしなければならない場面もありますよね。そんな時は、折り目に「あんこ」と呼ばれる緩衝材を挟むのが効果的です。細長く丸めたクッション紙や、未使用のタオルなどを折り目にそっと挟み込むことで、着物の重みで生地同士が強く重なるのを防ぎ、くっきりとしたシワがつくのを劇的に軽減できます。こうした丁寧な梱包は、受け取った瞬間の印象を大きく左右しますし、結果として「良い評価」やリピーターさんとのご縁にも繋がるんですよね。

メルカリ梱包のチェックリスト

  • たとう紙を新しいものに交換しているか
  • ビニール袋で二重に密閉し、防水対策をしているか
  • 箱の中で着物が動かないよう緩衝材で固定しているか
  • 折り目部分にクッションを挟んでシワ対策をしているか

最後に、発送通知を送る際に「シワにならないよう専用の着物用ダンボールで梱包しました」と一言添えるだけで、購入者さんはとても安心されます。発送前には、配送トラブルを防ぐためにもメルカリの公式ガイドラインや、ヤマト運輸・郵便局の最新の取り扱いルールを再確認しておくと、よりスムーズな取引ができますよ。手間はかかりますが、大切な着物を次の方へ手渡す大切な儀式だと思って、心を込めて梱包したいですね。

100均の代用品より専用箱を推奨する理由

コストを抑えたい時、ダイソーやセリアなどの100均で何か代わりになるものはないかな?と探したくなる気持ち、本当によく分かります。私も昔は「大きなビニール袋と普通の箱を組み合わせればいけるはず!」なんて思っていました。確かに、ショッパーや大きな厚手のゴミ袋、あるいは100均の宅配ビニール袋を組み合わせて梱包し、送料を安く浮かせることは物理的には可能です。でも、何度か失敗を経験した今の私からすると、大切な着物には絶対におすすめできません。

最大の理由は、100均の資材や一般的なダンボールには、着物の重さとデリケートさを支える「構造的な強さ」が足りないからです。着物用ダンボールは、長さが90cm近くあってもたわみにくいように、紙の厚みや波状の芯(フルート)が強化されています。一方で、100均の袋や継ぎはぎした箱は、他の荷物の下敷きになった瞬間に簡単に潰れてしまいます。配送センターでは、あなたの着物の上に、重い飲料のケースや家電が積まれる可能性だってあるんです。そうなれば、中身の絹繊維は押し潰され、取り返しのつかないダメージを受けてしまいます。

100均資材や簡易梱包のリスク

  • 外部からの衝撃や圧力に極めて弱く、着物の生地や刺繍が潰れやすい
  • 通気性が極端に悪いため、内部で結露が発生しカビの原因になる
  • 配送業者の受付で「内容物の保護が不十分」として引き受けを拒否される恐れがある
  • 見た目が不格好になりやすく、フリマアプリではトラブルの元になる

また、着物は「湿気」を嫌いますが、ビニール主体の簡易梱包は通気性がゼロです。もし配送中に急激な温度変化があれば、袋の内側に結露が生じ、それが直接着物に染みて致命的なシミを作ってしまうかもしれません。数千円、あるいは数十万円という価値がある着物を守るためなら、数百円から千円程度の専用ダンボールを用意する方が、リスクを考えれば圧倒的に安上がりです。道具をケチって大切な中身を台無しにしては本末転倒ですから、そこは誠実に、しっかりとした資材を選びたいところですね。

着物用ダンボールの入手方法と正しい処分ルール

専用の箱が必要だと分かっても、実際にどこで手に入れるのが一番賢いのでしょうか。大きなものなので、持ち運びの苦労も考えなければなりませんよね。また、役目を終えた後の処分の仕方も、大人としてのマナーが問われるところです。ここでは、購入ルートのコツや、意外と知らない保管・処分のルールについて詳しく解説していきます。

カインズなどのホームセンターでの在庫状況

「今すぐ箱を手に入れて、今日中に発送したい!」という緊急時に頼りになるのがホームセンターです。カインズ、コーナン、ビバホームといった大手チェーンでは、資材コーナーの一角に着物用ダンボールが置かれていることがあります。ただし、ここで一つ注意したいのが、その在庫の不安定さです。着物用はとにかく場所を取るため、売れ筋の商品ではない店舗では「在庫を置いていない」か「取り寄せ対応のみ」というケースが実はかなり多いんです。

私も以前、近所のホームセンターを3軒ハシゴして結局見つからなかった苦い経験があります。無駄足を防ぐためには、カインズなどの公式アプリを活用して店舗在庫をリアルタイムでチェックするか、カスタマーセンターに電話で問い合わせるのが最も確実な方法です。また、店頭になくても数日で店舗に取り寄せてくれるサービスもあります。これなら送料を払わずに、お散歩ついでに受け取りに行けるので、経済的にも助かりますよね。

ホームセンターで購入する際の運搬のコツ

無事に店頭で見つけられたとしても、次の難関は運搬です。着物用ダンボールは折り畳んだ状態でも長さが1メートル近く、幅も50cm以上あります。自転車や徒歩で運ぶのは、風に煽られてかなり危険ですし、箱の角をぶつけて凹ませてしまうかもしれません。車で行く場合も、後部座席がフラットになるか事前に確認しておきましょう。もし持ち帰りが難しい場合は、多くのホームセンターで実施している「軽トラ無料貸出サービス」を利用するのも一つの手かなと思います。手間を惜しまず、箱そのものを傷つけないように持ち帰ることが、着物を守る第一歩になります。

ネット通販や特注品を賢く活用するメリット

実店舗(カインズ・コーナン等)とネット通販(Amazon・楽天等)のメリットと注意点を比較するガイドアイコン。

近くにホームセンターがない、あるいは車を出せないという方にとって、Amazonや楽天といったネット通販はまさに救世主です。最大のメリットは、なんといっても「玄関まで届けてくれること」ですよね。あの巨大な板状のダンボールを自宅まで運んでもらえるのは、本当にありがたいサービスです。通販サイトでは、1枚単位で買えるバラ売りから、10枚セットなどのまとめ買いまで選択肢が豊富。まとめ買いをすれば、1枚あたりの単価がホームセンターよりも安くなることが多いのも嬉しいポイントです。

また、ネット通販ならではの強みが「サイズの多様性」です。標準的なサイズだけでなく、丈の長い振袖用や、三つ折りでコンパクトに送れるサイズなど、自分の着物にぴったりなものを選べます。もし、代々伝わる特別なサイズの着物や、一度に大量の着物を整理・発送する必要があるなら、オーダーメイドでダンボールを作ってくれる専門業者に依頼するのも賢い選択です。内寸を1mm単位で指定できるので、無駄な隙間を作らず、送料区分も限界まで攻めた「理想の箱」が手に入ります。

ネット通販で選ぶ際のポイント

  • 「内寸」が自分のたとう紙より2〜3cm大きいものを選ぶ
  • 送料が無料になるセット枚数や、合計金額をチェックする
  • レビューを見て、梱包が丁寧(角折れ対策がされている)なショップを選ぶ
  • 急ぎの場合は「即日発送」に対応しているか確認する

ネットで購入する際は、配送中に箱の角が潰れて届くトラブルがたまにあります。良心的なショップなら、ダンボール自体をさらに梱包して送ってくれますので、口コミなどを参考に信頼できるお店を見つけてください。大切なコレクションを整理するための投資だと思えば、多少の送料がかかっても、納得のいく品質のものを選びたいものですね。詳しい仕様や最新の価格については、各メーカーの公式サイトでじっくり比較してみることをおすすめします。

長期保管時のリスクとカビを防ぐ収納の基本

着物用ダンボールは、配送や引越しの時の一時的な「移動手段」としてはこれ以上ないほど優秀な資材です。でも、そのまま何年も押し入れの奥に眠らせておく「長期保管箱」として使うのは、実はかなりリスクが高いんです。私も昔、整理が面倒でダンボールに入れたまま放置してしまったことがあるのですが、数年後に開けてみて青ざめました。ダンボールは木材パルプが主原料なので、驚くほど湿気を吸い込み、保持しやすい性質を持っているんです。

日本のジメジメした夏場、ダンボールは湿気を溜め込む「スポンジ」のような状態になります。それが密閉された押し入れの中にあると、着物にとって最悪の敵である「カビ」の温床になってしまうんですよね。さらに、ダンボールの接着剤や素材に含まれる酸性成分が、長い年月をかけてデリケートな絹繊維を酸化させ、黄色っぽい「シミ」や変色を引き起こすことも指摘されています。また、ダンボールの隙間は衣類を食べる害虫(シミやカツオブシムシ)にとっても居心地が良い場所になりがちです。

正しい保管への移行ステップ

引越しや配送が終わって落ち着いたら、なるべく早く桐箪笥(きりたんす)や桐箱に着物を移し替えてあげましょう。桐には天然の調湿作用と防虫効果があり、pHも中性に近いため、絹を傷めずに何十年も守ってくれます。もし、どうしても予算や場所の都合でダンボール保管を続ける場合は、定期的に(年に2回は!)箱を開けて「虫干し」をし、新しい乾燥剤や防虫剤を補充することを忘れないでくださいね。ただし、薬剤が直接着物に触れると変色の原因になるので、必ずたとう紙の端の方に置くのが鉄則ですよ。

ちなみに、プラスチック製の衣装ケースも安価で便利ですが、これも湿気がこもりやすいという弱点があります。大切な着物を一生ものとして楽しみたいなら、ダンボールはあくまで「輸送用」と割り切って、安住の地である桐の収納環境を整えてあげるのが、最も誠実な着物への向き合い方かなと私は思います。

資源ゴミとして出す時の正しい捨て方とマナー

ダンボール保管による湿気・カビのリスクと、廃棄時に個人情報を消して紐で縛るマナーをまとめた図解。

大きな着物用ダンボール、使い終わった後にそのままゴミ捨て場に立てかけていませんか?その気持ちは分かりますが、サイズが大きいからこそ、捨て方にはちょっとした大人のマナーが必要です。ダンボールはほぼ100%リサイクルが可能な、とても貴重な資源です。それを正しく再生ルートに乗せるためには、まず粘着テープや配送伝票、ホチキスなどの留め具を完全に剥がすことが必須条件になります。

これら「異物」が混ざったまま回収に出されると、リサイクルの工程で機械が故障したり、再生紙の品質が著しく落ちてしまったりするんです。テープを剥がす一手間が、実は地球環境を守る大きな貢献になるんですよね。また、中に入っていたビニール袋や緩衝材(プチプチ)は「プラスチック資源」や「可燃ゴミ」として、自治体のルールに従って別に分けて出しましょう。着物用ダンボールは特に面積が広いので、剥がし残しがないか裏表しっかりチェックするのが私のルーティンです。

大型ダンボールをコンパクトにまとめるコツ

自治体の回収場所は限られていることが多いので、1枚のまま出すと場所を占領してしまいます。マナーとしては、1枚ずつ平らに折り畳んだ上で、さらに半分に折り曲げるなどして、扱いやすいサイズにまとめましょう。それを紙紐(リサイクルの邪魔にならないので推奨!)で、崩れないように「十字」にしっかりと縛ります。このとき、紐をきつく締めすぎてダンボールの端で手を切らないよう、軍手などをして作業すると安心ですよ。お住まいの地域のゴミ出しカレンダーを確認し、収集日の朝に余裕を持って出すのが、ご近所トラブルを防ぐ秘訣かなと思います。

個人情報を保護して自治体の回収へ出す手順

特に配送で使ったダンボールを捨てる際、絶対に忘れてはいけないのが個人情報の完全消去です。配送伝票にはあなたの住所、氏名、電話番号がバッチリ記載されていますよね。これをそのままにして捨ててしまうのは、今の時代、あまりにも無防備です。伝票を綺麗に剥がせる場合は良いのですが、強力に接着されていて剥がれないこともあります。そんな時は、無理に剥がそうとして爪を傷める前に、便利な道具を使いましょう。

私が愛用しているのは「個人情報保護スタンプ」です。伝票の上からコロコロと転がすだけで、特殊なパターンで文字を読み取れなくしてくれます。もしスタンプがなければ、油性の太マジックで塗りつぶすか、あるいはその部分だけをカッターやハサミで切り取って、可燃ゴミとして別に処分しましょう。切り取った後の穴の空いたダンボールは、そのまま資源ゴミとして出して大丈夫です。こうした小さな配慮が、自分自身と家族のプライバシーを守ることにつながります。

事業者の場合はルールが違います!

もしあなたが個人ではなく、呉服店や着物レンタルなどの「事業者」としてダンボールを出す場合は、自治体の家庭用ゴミ回収には出せません。これらは「産業廃棄物」や「事業系一般廃棄物」に該当するため、専門の回収業者と契約して引き取ってもらう必要があります。ルールを間違えると法律違反になってしまうこともあるので、正確な情報は各自治体の公式サイトで必ず確認してくださいね。

また、引越しで大量のダンボールが出た場合は、引越し業者が後日まとめて無料で回収してくれるサービスがあるはずです。これを活用するのが、最も効率的で確実な処分方法。自分で出す手間も省けますし、業者さんはプロなので処分方法も熟知しています。契約時の条件を読み直して、ぜひ賢く利用させてもらいましょう。

大切な和装を守る着物用ダンボールの活用まとめ

ここまで、着物用ダンボールの選び方から処分方法まで、私の実体験を交えながらたっぷりお伝えしてきました。着物は単なる衣類ではなく、持ち主の思い出や、職人さんの技術が詰まった一つの芸術品だと私は思っています。だからこそ、その輸送を支えるダンボール選びにも、少しだけのこだわりと深い愛情を持って接してあげたいですよね。

最後におさらいですが、選ぶときは「たとう紙のサイズ」を第一に考え、配送時は「140サイズ」という賢い枠組みを活用する。そして、届いた後はなるべく早く桐の収納へ移してあげる。この一連の流れを意識するだけで、あなたの着物はこれから何十年も、美しい輝きを保ち続けてくれるはずです。カインズなどのホームセンターや、便利なネット通販、そして引越し業者の専用資材……。今の時代、手に入れる手段はたくさんありますから、その時々の自分に合った最適な方法を選んでみてください。

箱の内寸、防水、隙間固定、配送サイズ、業者への指示など、着物梱包の全プロセスを網羅した確認項目。

この記事の最終チェックポイント
  • 着物用ダンボールは、たとう紙が折れない内寸90cm前後が理想
  • 配送送料を浮かすなら、深さ調整ができる140サイズ対応箱をチョイス
  • 100均での代用はリスクが高いため、ここぞという時は専用箱に頼る
  • ダンボールは保管用ではなく「輸送用」と割り切り、早めに桐箪笥へ
  • 捨てる時は伝票を剥がし、紐で縛って資源リサイクルへ出すのがマナー

最後になりますが、この記事で紹介した寸法や配送料金、各社のサービス内容は、あくまで一般的な目安です。社会状況や会社の方針によって変わることもありますので、実際に購入したり発送したり前には、各メーカーや運送会社の公式サイトで、最新の情報を必ずご自身でチェックしてくださいね。また、あまりに高価な国宝級の着物や、特別なクリーニングが必要な品については、自分だけで判断せず、呉服屋さんなどの専門家に一度相談してみるのが、一番の安心への近道です。この記事が、あなたの大切な着物を守るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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日々の生活の中に「和の心」を取り入れるライフスタイルを発信中。 ハーモニーニッポンでは、日本の四季・食・文化の魅力を世界に伝える記事を執筆しています。 好きな食べ物は焼き鳥。
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