浴衣のアイロンがけ完全ガイド。シワ取り術と基本のかけ方
夏祭りや花火大会。久しぶりに浴衣を取り出したら、くっきりとした「オリジワ」が…。または、自宅で洗濯したら「洗いジワ」がひどくて、どうしたものかと途方に暮れていませんか。
シワだらけの浴衣では、せっかくの気分も台無しになってしまいますよね。でも、浴衣のアイロンがけって、なんだか難しそう…。温度は?あて布は必要?そもそもポリエステルや絞りの浴衣ってどうするの?と、疑問が次々に出てくるかもしれません。
この記事では、そんな「浴衣のアイロン」に関するあらゆる悩みを解決していきます。アイロンがけの基本的なかけ方はもちろん、アイロン台の代わりになる簡単な方法、素材別の温度設定、さらにはアイロンなしでシワを取る裏技まで、私が調べたり試したりした情報を分かりやすくまとめました。
これを読めば、もう浴衣のシワを恐れる必要はなくなるはずです。ビシッと美しい浴衣で、夏の特別な一日を最高のものにしましょう。
- 浴衣アイロンの基本と必要な道具
- 綿・麻・ポリエステルなど素材別の注意点
- アイロンなしでシワを伸ばす方法
- シワを防ぐ洗濯と干し方のコツ
浴衣のアイロンがけの基本と準備

まずは、浴衣のアイロンがけを始める前の準備から。洋服とは少し勝手が違うので、基本をしっかり押さえておきましょう。これをやるだけで、仕上がりが格段に変わってきますよ。
アイロン台の代わりと必要道具
浴衣のアイロンがけで一番の悩みは、「アイロン台に乗らない!」ことじゃないかなと思います。浴衣は身頃(みごろ)や袖(そで)が長くて大きいので、普通のアイロン台だと、かけているそばから台から垂れ下がった部分の重みで、新しいシワができてしまうんですよね。
そこでおすすめなのが、「床」でかける方法です。
フローリングや畳の上に、大判のバスタオルやタオルケット、毛布などを敷けば、即席の広々としたアイロン台が完成します。これなら浴衣全体を平らに広げられて、とっても作業しやすいですよ。滑りも適度にあって、かけ心地も悪くありません。
アイロンがけに必要な道具リスト
- アイロン(スチーム・ドライ切り替え式)
- あて布(必須!ハンカチや手ぬぐいでOK)
- 床に敷く大判タオルや毛布(アイロン台の代わり)
- 霧吹き(綿や麻のガンコなシワに効果絶大)
- 和装ハンガー(着物ハンガー)
あて布の選び方と重要性
道具リストの中でも、特に「あて布」は絶対に欠かせません。これを使わないと、生地が熱でテカテカ光ってしまう「テカリ(アタリ)」や、生地の傷み、最悪の場合「焦げ」の原因になります。
あて布は専用のものでなくても、綿100%のハンカチや手ぬぐいで十分代用できます。色が濃い(紺、黒、濃紫など)浴衣や、ポリエステル素材の浴衣には、洗濯表示に関わらず必ず使用すると覚えておきましょう。
和装ハンガーの重要性
「和装ハンガー(着物ハンガー)」も、あると本当に便利なアイテムです。普通のハンガーと違って、袖までまっすぐ一直線に広げられるのが特徴ですね。アイロンがけの後の「熱冷まし」や、洗濯後の「干し」の工程で、型崩れを防ぎながら効率よく作業を進めるために大活躍します。
洗濯表示とアイロンの温度設定

次に、アイロンをかける前に必ずチェックしたいのが、浴衣の裏側についている「洗濯表示(品質表示タグ)」です。
ここで見るべきは、「素材(綿100%なのか、ポリエステルなのか)」と、「アイロン仕上げ」のマークですね。
アイロンの絵の中に描かれた「・」(点)の数で、アイロンの底面温度の上限がわかります。(出典:消費者庁「新しい洗濯表示」)
| 表示マーク | 温度の目安 | 上限温度 | 主な素材 |
|---|---|---|---|
| 「・・・」 (点3つ) | 高温 | $200^{\circ}\text{C}$ | 綿、麻 |
| 「・・」 (点2つ) | 中温 | $150^{\circ}\text{C}$ | ポリエステル |
| 「・」 (点1つ) | 低温 | $110^{\circ}\text{C}$ | (浴衣では少なめ) |
| 「$\times$」 (バツ印) | 不可 | – | 絞りなど |
昔の表示にあった波線マーク(あて布)は廃止されて、今は「あて布使用」と言葉で書かれています。でも、先ほどもお話しした通り、表示がなくても、テカリやすい素材(濃い色やポリエステル)にはあて布を使うのが、失敗しないための鉄則かなと思います。
スチームとドライの使い分け
浴衣のアイロンがけでは、「スチーム」と「ドライ」のどっちを使えばいいか迷うかもしれません。実は、これには両方の意見があるんです。
スチーム vs ドライ 最適解は?
- スチーム機能のリスク:アイロン本体のスチーム機能(特に古い機種)を使うと、蒸気と一緒に水滴(湯滴)が飛び散り、生地に「水ジミ(輪ジミ)」を作ってしまう可能性があります。
- ドライ+霧吹きの推奨:この水ジミのリスクを避けるため、アイロン本体の設定は「ドライ」にし、必要な水分は「霧吹き」で別途与える、というのが最も安全で確実な方法として推奨されています。
もちろん、綿や麻のガンコなシワを伸ばすには「水分」と「熱」が不可欠。その「水分」を、アイロン本体から供給するか、霧吹きで供給するかの違いですね。私は、水ジミが怖いので「ドライ+霧吹き」派です。
テカリ(アタリ)を防ぐには
特に紺や黒など色の濃い浴衣で発生しやすい、アイロンをかけた部分が白っぽく光る「テカリ(アタリ)」。これを防ぐ方法は2つです。
- 必ず「あて布」を使用する。
- 「生地の裏側から」アイロンをかける。
もしテカってしまったら、その部分にあて布をして、上からスチームを軽く当ててブラッシングすると、繊維が起きて目立たなくなる場合もありますよ。
綿・麻素材のかけ方
浴衣の定番、綿(コットン)や麻(リネン)素材。これらは比較的、熱に強いのが特徴です。洗濯表示も「高温」となっていることが多いですね。
綿(コットン)100% の特徴とコツ
温度設定は「高温」で大丈夫です。綿はシワがつきやすく、一度つくと取れにくい性質があります。アイロンのスチーム機能を積極的に使うか、霧吹き(きりふき)で生地をしっかり湿らせながらかけると、繊維がふっくらと膨らみ、シワが劇的に伸びやすくなります。
麻(リネン)および 綿麻混合 の特徴とコツ
麻も「高温」でかけられますが、麻のシワは天然繊維の中で最もガンコです。アイロンのスチームだけでは水分が不足することが多いので、霧吹きで生地を十分に湿らせることが必須と言ってもいいかもしれません。
アイロンを持つ反対の手で生地を軽くピンと引っ張りながらかけると、シワが伸びやすくなります。麻は干す段階から、手でシワを伸ばしておくことも重要ですね。
ポリエステル・絞り浴衣の注意点

最近増えているお手入れが簡単なポリエステル(化繊)の浴衣と、伝統的な絞り(しぼり)の浴衣。これらは綿・麻とは全く違う、デリケートな注意が必要です。
ポリエステル浴衣
ポリエステルは熱に弱いため、温度は「中温」を必ず守ってください。そして、あて布は必須です!
高温で直接アイロンを当ててしまうと、生地がテカテカになったり、引きつったり、最悪の場合は縮んだり溶けたりすることも…。シワ自体は比較的取れやすいんですが、熱での失敗は取り返しがつかないので、本当に慎重にいきましょう。
また、スチームを使うと水滴がシミ(輪ジミ)になるリスクもあるので、アイロンは「ドライ設定」にして、霧吹きも使わない方が安全です。
絞り(しぼり)の浴衣
絞りの浴衣は、原則アイロンNGです!
あの独特の「シボ」と呼ばれる凹凸が、絞りの浴衣の命です。アイロンの熱と圧力でこのシボがペッタンコに潰れてしまうと、もう元には戻らなくなってしまいます。
どうしてもシワが気になる時は
もしシワが気になる場合は、アイロンを生地に押し当てず、「少し浮かせた状態」で持ちます。そして、アイロンのスチーム(蒸気)だけを当てて、シボを潰さないように優しくシワを伸ばします。この作業は、後で紹介する「衣類スチーマー」が一番得意とするところですね。
スプレーのりの活用術
アイロンがけの仕上がりをワンランクアップさせてくれるのが、「スプレーのり(洗濯のり)」です。私は特に、浴衣の「衿(えり)」に使うのがお気に入りです。
のり付けするメリットは、単にパリッと仕上がるだけじゃないんですよ。
- 美しいシルエットを維持:生地にハリ(コシ)が出るため、着ている間の型崩れを防ぎます。特に衿元が汗や湿気でふにゃっとなるのを防いで、美しい「衣紋(えもん)の抜け」(首の後ろのライン)を一日中キープできます。
- 涼しく快適に:これが洋服と違う面白いポイント!のりで生地が適度に硬くなることで、肌との間にすき間ができます。これで汗をかいても肌にベッタリ張り付きにくく、風通しが良くなるんです。日本の夏の知恵ですね。
- 汚れ防止:のりが繊維をコーティングして、汗や皮脂汚れが繊維の奥深くに直接つくのを防いでくれる効果も期待できます。
効果的な使い方と重点箇所
一番効果的なのは、やはり「衿」です。着姿の印象を大きく左右しますからね。使い方は、衿の表側と裏側にスプレーして、必ず「あて布」をしてアイロンをかけるだけ。スプレーのりは高温で焦げ付くリスクがあるので、あて布は忘れないでくださいね。これを約5回程度繰り返すと、しっかりとしたハリが得られます。
手作り洗濯のりスプレー(経済的)
広範囲に使いたい場合や、経済的に済ませたい場合は、手作りも可能です。市販の洗濯のり(天然デンプン糊など)と水を 1:6 くらい(例:のり50mlに対し水300ml)で混ぜて、スプレーボトルに入れるだけ。洗濯後、まだ濡れている浴衣にまんべんなくスプレーし、生乾きの状態でアイロンをかけると、クリーニング店のような仕上がりになりますよ。濃さはお好みで調整してみてください。
浴衣のアイロンがけが不要?シワ取り術

ここまではアイロンを「かける」話をしてきましたが、正直「アイロンがけは面倒…」「アイロンがない!」という場合もありますよね。そんな時に役立つ、アイロンを使わないシワ取り術や、そもそもシワを作らないための予防策もご紹介します。
美しく仕上げるアイロンの順番
まずは、アイロンがけを実践する場合の「順番」です。実はこれ、適当にやると、せっかくキレイにしたところにまたシワが寄ってしまうんです。
理由は、アイロン済みの部分が、次の作業の邪魔にならないようにするため。「小さな面から大きな面へ」「中心から外側へ」と進めるのが鉄則。具体的には、以下の順序がおすすめです。
おすすめのアイロン順序
- 衿(えり):一番目立つ「顔」の部分から。
- 背中(せなか):背中心(縫い目)から左右へ。面積が広いので床でやると効率的。
- 身頃(みごろ):前の部分。「おくみ」の縫い目も意識して。
- 袖(そで):最後に仕上げることで、中心部の作業中にシワになるのを防ぐ。
この流れで作業すると、アイロン済みの部分が邪魔にならず、効率よく進められますよ。
部位別のかけ方のコツ

順番がわかったら、次は各部位のかけ方です。基本動作は、あて布をして、力を入れず(アイロンの自重を利用し)、滑らせるように素早く動かすことです。
① 衿(えり)
浴衣の顔とも言える最も目立つ部分。縫い目をきれいに整え、内側と外側の両方からしっかりとアイロンを当てます。スプレーのりを使うと、より美しく仕上がります。
② 背中(せなか)
背中の中心にある縫い目(背中心)をまっすぐに整え、そこから左右に向かってかけていきます。面積が広いので、床に敷いたタオル/毛布の上で生地が重ならないように広げて行うのがベストです。
③ 身頃(みごろ)と おくみ
前側の部分です。「おくみ」(衿から裾(すそ)まで続く、前身頃の細長い布)の縫い目も意識し、まっすぐにアイロンをかけます。
④ 袖(そで)
袖口(そでぐち)から肩に向かってアイロンを動かします。「袖付け(そでつけ)」と呼ばれる胴体との縫い合わせ部分も丁寧にかけます。
そして、一通りシワが伸びたら、最後に「縫い目の部分」(肩や脇など)にアイロンをしっかり押し当てて、ピシッとした折り目をつけるのがプロのコツ。これをやるだけで、着た時のシルエットが立体的に美しく見えます。
帯(おび)のアイロンは?
帯のシワも気になりますが、原則アイロンはしないでください。帯には芯地(しんじ)が入っていたり、金糸・銀糸が使われていたりして、とてもデリケート。熱で芯地が縮んだり溶けたりする危険があります。どうしても、という場合は「低温以下」・「あて布必須」で、シワの部分だけをごく短時間、軽く押さえる程度に留めましょう。
アイロンなしのシワ取りスプレー
「アイロンがけ、やっぱり面倒!」という方や「旅先でシワが!」という時のために、アイロンなしのシワ取り術もご紹介します。見出しは「スプレー」ですが、スプレー以外の方法もご紹介しますね。
① 衣類スチーマー(一番おすすめ)
ハンガーにかけたままシワを取れる衣類スチーマーは、浴衣と本当に相性が良いです。特に、アイロンを当てられない絞りの浴衣には、これが最強の解決策だと思います。シボを潰さず、蒸気の力だけでふんわりとシワを伸ばせます。
素材によってスチームを当てる速度を変えるのがコツです。
- 綿・麻:シワが伸びにくいので、ゆっくり(10cmを約3秒)当てる。
- ポリエステル:熱に弱いので、速く(10cmを約1秒)滑らせる。
ガンコなシワには、生地を軽く引っ張りながらスチームを当てると効果的ですよ。
② しわ取りスプレー(手軽さ重視)
市販の衣類用しわ取りスプレーも手軽ですね。和装専用のものもありますし、一般的なものでも代用可能です。シワが気になる部分にスプレーして、手で生地をパンパンと縦横に伸ばして乾かします。消臭・抗菌効果を兼ね備えたものも多いですね。
ただ、これは軽いシワや、着用中のシワ向け。洗濯後の深い「洗いジワ」を完全に消すのは難しいかもしれません。あくまで応急処置と考えるのが良いかなと思います。
③ 霧吹き+手のし(応急処置)
道具が何もない時の最終手段が、霧吹きと自分の手を使う「手のし(ハンドアイロン)」です。霧吹き(なければ濡れタオルでも)でシワの部分を湿らせて、自分の「手のひら」で押さえます。可能なら両手で挟み込むように。
これは、水分(霧吹き)と熱(手のぬくもり)によって、簡易的なアイロンプレスを行うのと同じ原理です。乾けば、軽いシワなら意外と目立たなくなりますよ。
浴室の蒸気は非推奨?
「入浴後のお風呂場に吊るしておく」という技をよく聞きますが、ウール製のスーツなどには有効でも、浴衣(特に綿・麻)にはあまりおすすめできません。ウールと違って、蒸気だけではシワが伸びにくく、むしろ湿気で生地が重くなって型崩れしたり、生乾きのニオイの原因になったりすることも…。浴衣に関しては避けた方が賢明かなと思います。
シワにならない洗濯のコツ

アイロンがけの手間は、実は「洗濯」の段階でほぼ決まってしまいます。アイロンでシワを「取る」のではなく、いかに「作らない」かが勝負です。多くのシワは、洗濯の工程で「作られる」ものだからです。
たたみ方と洗濯ネット
一番のポイントは、洗濯機に入れるとき。浴衣はそのまま放り込むと、他の衣類と絡まって型崩れとガンコなシワの原因になります。浴衣は必ず「たたんで」洗濯ネットに入れること。肩山や袖山を揃える「袖だたみ」が推奨されています。
脱水時間は「短め」が鉄則
そして、もう一つの最重要ポイントが「脱水時間」です。脱水は「短め」(1分程度)を厳守してください。脱水時間が長いほど、生地に強い圧力がかかり、深く取れにくいシワが刻まれてしまいます。
浴衣の詳しい洗濯方法については、こちらの記事(浴衣の洗濯機洗いガイド|失敗しない洗い方とコツ)でも紹介しているので、よかったら参考にしてみてくださいね。
シワを防ぐ浴衣の干し方
脱水が終わったら、「すぐに」取り出します。濡れたまま洗濯機の中に放置することが、シワを定着させ、雑菌を繁殖させる(ニオイの原因)最大の要因です。
① 「パンパン」とシワを伸ばす
ネットから取り出したら、浴衣をバサッと大きく広げ、両手で「パンパン」と強くたたいて大きなシワを伸ばします。このひと手間が、乾いた後の仕上がりを天国と地獄に分けます(笑)。特に縫い目の部分は縮みやすいので、軽く引っ張って伸ばしておきましょう。
② 「陰干し」を徹底する(色あせ防止)
干す場所は、色あseや生地の劣化(特に綿・麻)を防ぐため、必ず「風通しの良い日陰」で。直射日光は生地を傷め、色柄を褪色させるため厳禁です。
③ 干す道具(和装ハンガーが最適)
そして、干す道具は、やはり「和装ハンガー(着物ハンガー)」が最強です。袖までまっすぐに広げて干せるので、型崩れを防ぎ、風通しも良くて最も早く乾きます。持っていない場合は、物干し竿に「たもと(袖)」を二つ折りにして竿にかけ、肩と脇の部分を洗濯ばさみで留めて干すのが次善の策ですね。
保管を左右する浴衣のたたみ方

さあ、アイロンがけが終わりました!…と、ここで安心してはいけません。最後の「仕上げ」と「保管」が残っています。この最後の工程こそが、次回のアイロンがけを不要にするための鍵となります。
【最重要】アイロン直後に熱を冷ます
アイロン直後の浴衣は、熱と蒸気(水分)を含んでいて、繊維が最も変形しやすい(=シワがつきやすい)状態です。このまま畳むのは、自分で新しい「オリジワ」をプレスしていることと同じです。
アイロンが終わったら、必ず和装ハンガーなどにかけ、熱が完全に冷めるまで30分〜1時間ほど放置してください。熱が冷める過程で、アイロンによって整えられた形が生地に定着します。
シワを防ぐ「本畳み(ほんだたみ)」
熱が完全に冷めたら、いよいよ保管です。ここで洋服のように小さくたたむと、必ずシワができます。着物特有の「本畳み(ほんだたみ)」という、浴衣の直線的な縫い目に沿って平らにたたむ方法で保管しましょう。
「本畳み」の目的は、次に着る際に目立つ位置(例えば、身頃の真ん中など)に変な折りジワがつくのを防ぐための、とても合理的な収納方法なんです。スペースの都合で、本畳みの後にさらに三つ折りなどにすると、結局シワがついてしまうので、できるだけ平らに保管するのが理想ですね。
この「本畳み」こそが、次に着る時にシワがない状態を保つための、最大のコツかもしれません。
浴衣アイロン術の総まとめ
今回は、「浴衣のアイロン」について、準備から実践、素材別の注意点、そしてアイロン不要のシワ取り術まで、かなり詳しくご紹介してみました。
最初は難しそうに感じる浴衣のアイロンがけも、「床でやる」「あて布必須」「素材別の温度」といった基本さえ押さえれば、決して怖いものではありません。むしろ、ビシッと仕上がった時の達成感はかなりのものです。
また、アイロンがけの手間を減らすには、「洗濯ネット+脱水は短く」「干す時にパンパン叩く」「熱を冷まして本畳み」という、アイロンをかける前後のケアがとっても大切だということも、改めて感じますね。
完璧な浴衣アイロン術をマスターして、シワひとつない美しい着姿で、今年の夏を思いっきり楽しんでくださいね!
