焼き鳥の冷凍保存ガイド!正しい方法と期間、解凍のコツ
デパ地下やスーパーで購入した美味しい焼き鳥。少し多めに買ってストックしたい時、焼き鳥の冷凍保存は可能なのでしょうか。手作りした焼き鳥や、焼く前・焼いた後の状態でどう違うのか、保存できる期間はどのくらいか、特に傷みやすいレバーはどう扱えばよいか、疑問は尽きません。この記事では、焼き鳥を美味しく冷凍保存するための正しい知識と、解凍のコツまで詳しく解説します。
- 調理済み・生串など状態別の正しい冷凍手順
- タレ・塩・レバーなど種類ごとの保存の注意点
- 美味しさを保つ冷凍保存期間の目安
- 風味を損なわない解凍方法と温め直しのコツ
焼き鳥の冷凍保存、基本の知識
- 惣菜の焼き鳥は冷凍保存できる?
- 冷凍した焼き鳥の保存期間の目安
- レバーの冷凍保存は可能か?
- 冷凍による味の劣化について
惣菜の焼き鳥は冷凍保存できる?

スーパーやデパ地下のお惣菜コーナーで買った焼き鳥が余ってしまった場合、冷凍保存は可能です。タレ味、塩味どちらでも問題なく冷凍できます。
ただし、お店で調理された焼き鳥は、基本的に購入当日に食べきることを前提としています。そのため、家庭で冷凍することを想定して作られてはいない点に注意しなくてはなりません。
購入してから時間が経過するほど品質は落ちてしまいます。もし冷凍する予定であれば、購入後できるだけ早く、粗熱が取れた状態で冷凍処理に移すことが美味しさを保つカギとなります。
惣菜の焼き鳥冷凍のポイント
購入後は放置せず、食べきれないと判断したらすぐに冷凍準備を始めましょう。温かい場合は、まず粗熱をしっかり取ることが必須です。
冷凍した焼き鳥の保存期間の目安
冷凍した焼き鳥の保存期間は、約2週間から長くても1ヶ月程度が目安です。
これは、あくまで適切に密閉して冷凍した場合の目安となります。家庭用の冷凍庫は開閉による温度変化が激しいため、業務用の冷凍庫ほど長期間の品質維持は難しいのが実情です。
特に購入から2週間を過ぎると、徐々に冷凍焼け(乾燥)や油脂の酸化が進み、風味が落ちてしまいます。美味しいうちに食べきるためには、2週間以内を目安にするのがおすすめです。
1年冷凍したものは?
「1年間冷凍していた」というケースも見受けられますが、これは推奨できません。冷凍食品にも賞味期限があるように、家庭での冷凍も限界があります。数ヶ月を超えたものは、風味が著しく劣化している可能性が高いだけでなく、安全性の観点からも食べるのを避けた方が賢明です。
レバーの冷凍保存は可能か?

焼き鳥の中でも人気の高いレバーですが、その冷凍保存には注意が必要です。
結論から言うと、レバーの冷凍保存は可能ですが、あまりおすすめはできません。レバーは内臓部位であり、鶏肉の中でも特に傷みやすいデリケートな部位だからです。
また、冷凍と解凍を経ることで水分が抜けやすく、食感がパサパサ、ボソボソになりやすいというデメリットがあります。お店で食べるあのプリっとした食感を再現するのは難しくなります。
もしレバーを冷凍するなら
どうしても冷凍したい場合は、購入したその日のうちに、タレなどが付いたままの状態で1本ずつラップに包み、密閉袋に入れて冷凍します。保存期間は他の部位よりも短く考え、1週間程度で食べきるようにしましょう。
冷凍による味の劣化について
残念ながら、一度冷凍した焼き鳥は、焼きたての状態と全く同じ味に戻すのは難しいです。ある程度の味の劣化は避けられないと理解しておきましょう。
主な劣化の原因は、冷凍・解凍の際に肉の細胞が壊れ、旨味成分を含む水分(ドリップ)が外に流れ出てしまうことです。これにより、肉が硬くなったり、ジューシーさが失われたりします。
また、タレ味の焼き鳥は、解凍・温め直しの際にタレに含まれる糖分や塩分が焦げやすくなる傾向があります。特に電子レンジでの加熱は、タレの部分だけが異常に高温になりやすいため注意が必要です。
状態別の焼き鳥の冷凍保存と解凍法
- 焼く前の生串を冷凍する方法
- 手作り焼き鳥の冷凍保存のコツ
- 焼いた後の焼き鳥を冷凍する方法
- 冷凍焼き鳥の解凍方法
- 美味しい温め直しのコツ
- 冷凍焼き鳥のアレンジレシピ
- 焼き鳥の冷凍保存を上手に活用しよう
焼く前の生串を冷凍する方法

まだ焼いていない、生の状態で串打ちされた焼き鳥を冷凍する方法です。この方法は、調理後に冷凍するよりも、焼くときの美味しさを保ちやすいメリットがあります。
冷凍の手順
1. まず、キッチンペーパーで鶏肉の表面にある余分な水分(ドリップ)を軽く押さえて拭き取ります。これが臭みや劣化の原因になります。
2. 次に、乾燥を防ぐために、お酒(日本酒など)を軽く振りかけて表面をコーティングします。
3. 1回で食べる分量(2~3本ずつ)を目安に、空気が入らないようラップでぴったりと包みます。
4. アルミ製のバット(トレー)などに乗せて冷凍庫に入れると、急速に冷凍できるため品質が保たれやすくなります。
5. ある程度凍ったら、ラップで包んだものを冷凍用の密閉袋(フリーザーバッグ)に移し替え、空気をしっかり抜いて保存します。
下味冷凍もおすすめ
タレや塩・コショウで下味をつけてから冷凍する「下味冷凍」も便利です。密閉袋に調味液と生串を入れ、そのまま平らにして冷凍します。解凍後に焼くだけで味が決まるため、調理時間を短縮できます。
手作り焼き鳥の冷凍保存のコツ
ご家庭で手作りした焼き鳥を冷凍する場合、基本的な手順は「焼く前の生串を冷凍する方法」と同じです。
鶏肉をカットして串に刺したら、すぐにドリップを拭き取り、ラップで包んで急速冷凍しましょう。スーパーなどで購入した鶏肉を使う場合でも、作ったらすぐに冷凍処理するのが鮮度を保つコツです。
つくねの冷凍方法

手作りの「つくね」の場合は、少し手順が異なります。
1. 材料をすべて混ぜ合わせ、団子状に丸めます。
2. 一度沸騰したお湯で茹でて中まで火を通します。(この工程でアクが抜けます)
3. 茹で上がったら水気を切り、粗熱をしっかり取ります。
4. 粗熱が取れたら串に刺し、ラップに包んでから密閉袋に入れて冷凍します。
この方法なら、解凍後にタレを絡めて焼くだけで、ふっくらとしたつくねが楽しめます。
焼いた後の焼き鳥を冷凍する方法
お店で購入した惣菜や、自宅で調理して焼いた後の焼き鳥を冷凍する方法です。
冷凍の手順
1. まず、焼き鳥の粗熱をしっかりと取ることが最も重要です。温かいまま冷凍すると、蒸気が水滴となって霜が付き、味の劣化や細菌繁殖の原因になります。
2. 粗熱が取れたら、1本ずつラップでぴったりと包みます。タレ味の場合は、タレごと包み込んでください。
3. 冷凍用の密閉袋(フリーザーバッグ)に入れ、串同士が重ならないように平らに並べます。
4. 袋の空気をしっかり抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存します。
串の取り扱いに注意
冷凍用保存袋に入れる際、串の先端が袋を突き破って穴が開かないように注意してください。穴が開くとそこから空気が入り、酸化や乾燥の原因となります。不安な場合は、串の先端に小さく切ったアルミホイルを巻くか、あらかじめ串から外してしまうのも一つの手です。
冷凍焼き鳥の解凍方法

冷凍した焼き鳥の美味しさを左右するのが「解凍方法」です。NGな方法を選ぶと、せっかくの旨味が台無しになってしまいます。
ベストな解凍方法:冷蔵庫解凍
最もおすすめなのは、食べる前日の夜から冷蔵庫に移してゆっくり解凍する方法です。
時間はかかりますが、低い温度で緩やかに解凍することで、肉の細胞が壊れにくく、ドリップ(旨味成分)の流出を最小限に抑えることができます。
急ぐ場合の解凍方法:流水解凍
「すぐに解凍したい」という場合は、密閉袋に入れたまま、ボウルなどで流水に当てて解凍します。冷蔵庫解凍よりは早く解凍できますが、室温が高い夏場などは長時間の放置を避けましょう。
避けるべき解凍方法
・常温解凍(自然解凍): 特に夏場は、表面温度が上がることで菌が繁殖しやすくなります。また、ドリップも出やすくなります。
・電子レンジの「解凍モード」: 特に「焼く前」の生串にはおすすめできません。加熱ムラが起きやすく、部分的に火が通ってしまい、肉が硬くなる原因になります。
美味しい温め直しのコツ

解凍した「調理済み」の焼き鳥を、美味しく温め直すコツを紹介します。電子レンジだけでも可能ですが、少しの手間で香ばしさが蘇ります。
1. 電子レンジでの温め方
手軽ですが、加熱しすぎると肉が硬くなるため注意が必要です。目安は1本(約30g)あたり500Wで30秒弱です。
タレが皿にこびりつくのを防ぐため、市販のクッキングシートで挟んで加熱するのがおすすめです。タレの焦げ付きも防げます。
2. オーブントースターでの温め方
香ばしさを復活させたい場合に最適です。アルミホイルを敷き、その上に焼き鳥を乗せて温めます。タレが焦げやすいので、様子を見ながら加熱してください。
3. フライパンでの温め方
フライパンに薄く油をひき、解凍した焼き鳥を乗せて弱火で両面を軽く焼き直します。こちらも焦げ付きに注意が必要です。
4. 湯せん(タレの場合)
タレが固まっている場合は、密閉袋に入れたまま湯せんして温めると、タレが柔らかくなり肉とよく絡みます。
電子レンジで軽く温めた後、仕上げにトースターで数十秒炙ると、
「中はふっくら、外は香ばしく」仕上がりやすいですよ!
冷凍焼き鳥のアレンジレシピ
冷凍した焼き鳥は、そのまま温め直して食べるだけでなく、便利な「おかず食材」としても活躍します。すでに味がしっかり付いているため、ひと手間加えるだけで美味しいリメイク料理が完成します。
アレンジアイデア1:親子丼
冷凍焼き鳥を解凍し、串から外します。薄切りにした玉ねぎとめんつゆで軽く煮込み、卵でとじれば、香ばしい「焼き鳥親子丼」の完成です。
アレンジアイデア2:焼き鳥丼
温め直した焼き鳥をご飯の上に乗せるだけの簡単どんぶりです。刻み海苔やネギ、七味唐辛子をトッピングすると、より本格的になります。
アレンジアイデア3:炊き込みご飯
串から外して細かく刻み、炊き込みご飯やチャーハンの具材として使うと、鶏肉の旨味とタレの風味がご飯に移り、絶品です。
その他のお手軽アレンジ
ほかにも、サンドイッチの具材にしたり、キュウリなどと一緒にライスペーパーで巻いて生春巻きにしたりと、アイデア次第で様々な料理に活用できます。
焼き鳥の冷凍保存を上手に活用しよう
焼き鳥の冷凍保存は、正しい手順を知っていればとても便利です。今回の記事のポイントをまとめました。
- 惣菜の焼き鳥も冷凍保存は可能
- 購入後はできるだけ早く冷凍処理する
- 冷凍保存の期間は約2週間から1ヶ月が目安
- レバーは傷みやすく食感も変わりやすいため冷凍非推奨
- 冷凍するとある程度の味の劣化は避けられない
- 「焼く前」の生串はドリップを拭き取ってから冷凍
- 生串は酒を振ると乾燥防止になる
- 「焼いた後」の焼き鳥は粗熱をしっかり取ってから冷凍
- 1本ずつラップで密閉するのが基本
- 密閉袋に入れ空気を抜き、平らにして冷凍庫へ
- 解凍はドリップが出にくい「冷蔵庫解凍」がベスト
- 常温解凍やレンジ解凍(生の場合)は避ける
- 温め直しはレンジ+トースターで香ばしさ復活
- クッキングシートを使うと焦げ付きにくい
- 親子丼や焼き鳥丼などアレンジレシピにも活用できる
